■ 台高・馬駈場辻〜赤ゾレ山
・・・・2010年11月19日
2010.11.21

流石に平日では木梶林道出合いにも車はない。ところが軽トラが一台、掃き清められた様なアスファルトの路面があって、この時点では関連を認識できなかった。入り口に車を置いて、不動尊の前まで来ると、新たな軽トラとてんこ盛りに寄せ集められた落ち葉があって、傍らにおじさんが一人、落ち葉は腐葉土として利用するらしい。

暫く立ち話、近頃は熊が増えているよし、人への被害などはまるでないそうだが、杉の木の皮をはがされる被害があると云う。がしかし、近頃は山の手入れをしないそうだから、被害であるかどうかは疑問が残るらしい。

沢山の枯葉の山を後にして、よく紅葉した林道傍の樹林を見あげながら谷の全貌が広がっていく。完全に葉を落とした木梶山辺りの山肌は、林床まで透けて見えて、熊などの動くものでもあったなら、直ちにそれと分かるほどだ。

約1時間ほどの林道歩きで、背中や額に軽い汗がにじむ。空は抜けるような青空が覗いている。

木梶山登山口の案内板を左に見て、どこまでもいつまでも続く植林の中を、明るい谷川に沿って登って行く。踏み跡は、途切れ途切れではあるが、拾えるほどに続いている。葉を落とした谷川上空の樹木のお陰で、川面だけには暖かそうな日差しがある。

谷川が左右に分けれるところで、未体験の右の谷を進む。苔むした岩の上には、トチやサワグルミの葉があって明るい。暫く登ると再び二股に出た。こちらも右の支谷に進み、水が隠れるところで尾根に上った。

着いたところは馬駈場辻の直ぐ傍で、風も無く明るい日差しに溢れたカヤトの傍から国見・水無山から檜塚への眺望が非常に良い。空気にはそれほどの透明感もないのに不思議である。

赤ゾレ山へと進むと次第に大峰辺りの稜線が見え出した。目の前の薊岳を目指してヒーヒーいったのが嘘のような光景である。赤ゾレピークで暫く過ごす間に、南から広がった雲は見る間に全天を覆う。

赤ゾレ山裏側の北東に下る尾根からは、まだ北の上空に青空も見えている。尾根を下ること約30分、川瀬の音と同時に林道が見えてくる。林道をまた1時間歩く間に、一時は完全に天を覆った雲が、また南から消えて行き、薄い日差しも漏れてきた。

不動尊前の落ち葉の山は、綺麗に運び出された後であった。明日も晴れそうである。


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