■ 京都北山・三国岳 久多〜三国岳・三ボケ
・・・・2010年11月13日
2010.11.15

久多上の町から暫く林道を走り、府大小屋出合いの様子を伺うに、記憶のある車が二台停まって空スペースが無い。10m程離れた道の横に、なんとか車は納めたが、鼻先が少し道に掛かっている。

府大小屋までの路面は、赤茶けた栃の葉で埋まり、絨毯を踏むような明るい感触がある。陽射しが出てくればなお明るく浮き上がって見えるはずだが、昨日から続く、黄土高原の土煙が充満していて、秋らしい澄明な光景は殆ど無い。

府大小屋からの登りはただキツイ、崖のようなところに踏み跡が続いている。恐るべきは、こんな道でさえ、お年寄りのグループが三国岳目指して登っていき、帰ってこられる。谷の瀬音が小さくなるとやや傾斜が緩み、尾根の紅葉が手に取るように見え出すと、僅かばかりの平坦な地面には、コミネカエデやハウチワカエデの落葉が綺麗である。

最後に杉の根の張り出した斜面を登って、道標のある尾根道に合流する。右手に進めばわずかばかりで三国岳ピーク、左に進めば二ボケ・一ボケの源頭部を経て天狗峠に至る。左に進み、適当なところから谷を下るとかなり泥濘んだ谷芯しか歩けそうにない。

大きな谷に出合い暫く下ると三ボケ入り口のゴルジュ手前であった。数年まえまでキノコの生えた立ち枯れたミズナラは、既にキノコの栄養も供給できないほどに腐敗が進んでいるらしく、後は倒れるを待つ以外にはなさそうだ。

三ボケを下り、滝場を高巻いてロロノ谷に出た。先週の後、どうやら入山者は皆無の様で、桜の倒木辺りには先週の名残しか残っていない。ロロノ谷を登りつめ、急斜面の右手の尾根に取り付く。辺り一面、枯れたミズナラの巨木が無残な姿を止めており、よほど風の強い場所であるのか、根こそぎ倒れたブナの巨木も混じっている。

僅かに残った笹の中を掻き分けて辿りついたP941、今日のものらしい人跡を発見した。県境尾根を三国岳まで、今年はユキムシが大量に発生していて、この冬の予兆であるとしたら、どれだけ雪が降るのだろう。

三国岳下の登山道には沢山の踏み跡があり、古屋辺りからの入山者が多かったのだろうか。薄ボンヤリとした陽射しの中、三国岳ピークからは山々のシルエットが連綿と続いている。午前中の黄砂は谷底に残り、あたかも雲海のような光景である。


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