■ 台高・木梶林道〜赤ゾレ山
・・・・2010年08月07日
2010.8.9

大阪に降った深夜の雨は、大阪平野のみならず、奈良の各地にも幾らか涼しい空気を運んできた。木梶林道でも、風は涼しいし稜線には薄雲が懸かって陽射しを遮るし、何処にも暑さで苦痛を感じるところはない。ここのところ、やや暑さに押されぎみであるから、今日は身体に優しい谷川で木陰を行くことしたのだが、これでは幾らか初期の意気込みも薄らいでくる。

林道出合いに車が一台、長い林道の過程で追い越した一台。流石にここは人が少ない。地蔵谷出会いの高巻きで少しだけ汗をかいたが、谷に降りると非常に涼しい。涼しいだけでなく、右側の植林もあって陰湿な感じもする。ぎらぎらの太陽が葉叢を零れ、きらきら光る水面に反射する涼しさがまるでない。ビブラムソールで谷川を遡上しても楽しくもなんともないばかりか、少しばかり立ち止まるとあろう事か寒さを感じる。

前回間違えた左からの流れを越え、更に上流まで歩いて、水の多い左の流れを進み、水の跳ねる音に水面を見ると、まだ小さな栃の実が落ちる。僅かな流れの中、光が消えた谷間では、夏が去ってしまったようで、寂しささえ萌してきた。どうやら台高の尾根が見え始め、殆ど伏流となった谷をしゃにむに詰めると汗が滴る。今日一番の汗で身体を濡らして尾根に上がった、風が戻って涼しい。

空一面に薄雲が懸かり、漏れる光は僅かである。薊岳や明神平は嫌にはっきり見え、大普賢岳のギザギザ頭は霞の中で、頂上部は雲に隠れて見えない。赤ゾレ山のカヤトの上に、今日はナツアカネの姿が殆ど無い。かわりに小さなハエが纏わり着き、これを狙う肉食のスズメバチが煩く纏わり着く。

ピークのカラマツの木陰で大休止。昼食の間に身体が冷えて、カヤトの間に陽射しを探す有様。このときの気温は20度であった。僅かな光で身体の温まるのを待って、すぐさま林道に向けて尾根を下った。テント泊でもしたくなるような開けた大ブナの林。林床を這う二匹のマムシ、鎌首を擡げて威嚇することもなく、大人しく譲って去っていく。この辺りのヘビは苛められていない。

尾根を下り、林道が見える辺りで更に一匹のマムシ、此方は鎌首を擡げて攻撃態勢をとる。誰かに苛められた記憶があるのだろう。川に下って靴とスパッツを洗って林道を歩いた。既に二台の車は無く、なにやら気の抜けた一日であった。







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