■ 北摂・大野山 アジサイ祭り
・・・・2010年07月04日
2010.7.5

昨日は大雨で視界のない北摂尾根を歩いた。上下のカッパと傘、蒸された身体からは相当量の体液が失われたに違いない。天気図を見ると前線は南下して、寒気が入って来る筈。ところが天気予報では未明にかけての大雨と云う。目覚めると果たして、多少の青空さえ覗いているではないか。

散歩の積りで出掛けた西軽井沢バス停前、数台の車が停まり、梅雨の合間を縫ってのウォーキングにしてはちょっと多すぎる。はて、と脳裏に蘇るのは冷えたビールの記憶である。そうだ、今日はアジサイ祭りに違いない。支度の合間にも更に一台の車、熟年のご夫婦が到着された。これはほぼ間違いない。

バブルの名残が今に残る、雨後の西軽井沢別荘街。多くは藪に埋まり、谷川傍の立派な家も、別荘とは名ばかりの小さな庵も、今では気味が悪いだけである。少ないながら、今でも手入れの行き届いた家もある。しかし、急な斜面と流れる水を見るにつけ、そう遠くない未来には、いずれも藪に飲み込まれる運命に間違いない。

増水した川に沿ったひんやりした道を過ぎると大野山登山口の看板がある。別荘事業の為に随分荒れた道を暫く登ると尾根を巻く様に続く立派な道。積み石で補強された道には、牛や荷車も往来した筈だ。二次林ながら、気持ちの良い林が続き、ところどころに岩清水、今日に限っては、俄か作りの小滝などがあって、短いながらもなかなかのコースである。

そろそろお昼も近くなり、下ってこられる人がチラホラ。最後の階段では、杖を持った単独のお爺さんと出合った。酷く痩せて、見るからに心細い。大きなお世話である。階段を登ると拡声器の声が響き渡る、間違いなくアジサイ祭りの会場である。ピークは後回し、舗装路を歩いて会場であるグランドに直行。見上げた右の斜面には、青色の色鮮やかなアジサイの群落。

車道には空きを待つ車の長い行列があった。脇をすり抜け、お爺さんお婆さんバンドの前で、長々とやる演説を黙殺し、一直線にビール、たこ焼きの待つテントの前へ。氷水に浸かったビールは手にも冷たい。駐車場と成り果てたグランド脇の岩山の上に陣取り、飲んだビールの旨いこと、は云うまでも無い、たこ焼きも旨かった。

多少朦朧とし始めた辺りで腰を挙げ、車道を抜けて大野山ピークに立った。殆どの人は、斜面のアジサイの中を散策中である。この頃には、筋雲の棚引く青空が広がり、もはや雨が降る気配は全く無い。早々に山頂を辞し元気な笹薮へ。かつてここにあったササユリは何処に行ってしまったろう。

ぼちぼち下りながらも、再び汗が噴出する。西軽井沢のバス停前に戻った時には、後から来たご夫婦の車の他には残っていない。県道を吹く風が、久しぶりに気持良く感じる。



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