夢やかたの、駐車場に止まる車は2台だけ、賑やかな様子を想像していたからこれはちょっと拍子抜け。天気は曇りで人影はなし。色褪せた辺りの案山子は寧ろ興醒めである。ポーズはともかく、賑やかな様子を演出すべく居てもらう案山子であれば、衣服の新調はあって然るべきだろうと思う。
先ずは寂しい駐車場から神社に移動、暗い植林の中にテントが一つ。無料のテン場を目の前にして、何故に暗い樹林の下だろう。様々な人がおられる。さて、ここの神社もやや古色が目立ち、近頃の補修の跡は見られない。そんな境内にひときわ立派な杉の木がある。太さ高さは申し分なく、逞しい木だ。何れは神社の為に役立つ事になるのだろうか。神社の鬼瓦は文字通り鬼、恐ろしげな鬼の顔が見下ろしている。
防獣柵を明け、少し歩けば大明神コースの登山口、巡視路を利用した登山道だ。これが思いの外厳しくて、鉄塔まで登って斜度が緩む。少しく汗などが滲んで暖かくなった。礫岩らしい大岩の間はアベマキの落葉で良く滑る。こ高いピークは明剣岳、展望は良い。展望は良いが見たく無いものも見えるのが難点だ。思わず下界に引き降ろされる。
シダの間に続く細尾根の道を登ったり降ったり。右の支尾根に大岩壁が見えた。あんな処を残すほど、皆様は迂闊ではあるまい、と思いながら登ったピーク下、確りと踏み跡が延びている。稼いだ高度を惜しげもなく放出してタヌキ岩、西に小明神コースの馬の背が見える。狭い岩の間を抜けて最後は衝立岩。結構長い巻き道を手足を総動員で登る。登った岩の上で一服したのは過去2回、故に今日も一服する。
北尾根までは300に近い標高差、このルートで一番辛い区間だ。何やら今日は楽に登ってしまった。これは楽勝、と思うのはまだ早い。登れば降る尾根道が続く。途中、トラロープに括られたハッカ水入噴霧器を見た。アカガシに覆われた暗い斜面で、当然、山ビル様対策で間違いない。人ごとながら、大変なところを歩くんだ。夏場は敬して近付かず、を旨としている。
北尾根は冷たい風が吹く。煌めく小石を手に取れば、光は全て付着した氷、小明神を踏み恐竜の背を登り、着いた明神山は暖かくて明るいピークであった。北の空に、雲間の中に白く輝く峰々が浮かび、中でも三室山は形が良い。雪山は今年は拝むだけだが、温かい雪が降ったら行ってみようと思っている。(アホな事を書きました) お腹が減るので補給は必要、温かいピークはお昼ごはんで和やかである。お昼を終えたらAコースで降ろう、
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