■ 京都北山・中山谷山
・・・・2024年10月26日
2024.10.27

自然文化村のテントサイトに、早朝にも拘らずテントが立つ。夜間に来られたとは思えないし、長逗留の類であろうか?。近頃は在宅勤務というのがある。居場所は拘束されないからテントでもかまわない。古くは物書きのスタイルに似ている。それで仕事がはかどるなら結構な事だ。

田歌舎は今が収穫期か、田畑の上に人が多い。触発された犬がワンワン吠える。静かな五波谷の途中の膨らみに車を止めた。冷た水谷の頭から中山谷山を経て五波谷を周回するのに適している。近頃は減ったと思っていた鹿の寝床が道横にあった。彼らが多いと食害のみならず、至るところにヤマビルを撒き散らす。今日はどうか、熊とヤマビルに会いませんように。

10月末の山の中としては今日は暑い。谷川の先から登り始めた転がり落ちそうな急斜面、草木を頼りに登り始め、5分ほどで汗が落ちる。心臓はフル回転、目標値の深部体温42℃に達したはずだ。ここで念入りにヤマビルチェック、直ぐ傍の杉の木の下にも新しい寝床がある。周辺の樹木に紅葉は無し、林床に転がるドングリの類も無い。以前はニホンリスをよく見かけたものだが近頃はさっぱりだ。

斜度が緩むと馬酔木のジャングル、こんなところに熊も居るはずが無い、と思いながらも用心は必要。上の林に向って笛を数回、カケスがギャーギャー鳴く。もう限界、と云いたい様な斜面をこなしてやっと平坦地に抜けた。嘗ては背丈を越える笹原であったが、今では庭園風の別天地。一面の雲間から薄い陽射しが届いて温かい。気温は13℃。熊の足跡は無い。

谷の現頭部のブナの根本にマイタケらしきものを発見、行って見ると落ちたツキヨダケであった。登り返しが辛い。ブナの林を超えて南尾根に乗る。芦生の山々を眺めながらエネルギー補給、北の方からガスが流れてきた。気温はそれほども下がらない、どうやら雨は避けられそう。中山谷山の南尾根に秋の実りは皆無であった。掃いた様な林床ばかりが続いている。

ピーク周辺の巨大ブナに葉は無い。紅葉を待たずに枯れた様子で、木々を彩るのはツキヨダケ。ナメコなら良かったが、ツキヨダケは毒キノコで、食すと苦くて一晩は唸る事になる。林床はブナの枯葉、周辺樹木は未だ緑で、律儀者のマンサクでさえ色は無い。五波峠に抜けたところにツルリンドウが数株、残念な事に、曇空では花は閉じたままだ。


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