■ 両白山地・大屏風・別山
・・・・2024年09月15日
2024.9.16

雲の多い朝、曇天はむしろ有り難い、と思っていると雨が落ちる。小雨くらいはむしろ涼しくて有り難い、と見ているとかなり強い。まあ、行けるところで良しとしよう。

過去の、度重なる経験知をもとに、と言っても3回ではあるが、立てたルートは南竜ヶ馬場から大屏風を経て別山に至ると言うもの。猿壁登山口からのアタックはあまりに正攻法、いわば愚直者の行動であった。今回は、バスを使って1200まで、目の前のチブリ尾根の一角に、2時間歩いた後の休息場が見えるではないか。

別当出合。雨の中、軒下から見回したところは信仰に関わる建物などは無い。賑やかな屋根の下から雨中に飛び出したのはお若い二人、直ぐの吊り橋を渡り、よく整備された道が続いている。谷筋には、治山工事の道が延びる。そんな道を、お年寄りから小さな子供まで、耐える事なく降って来て、お互いに、挨拶を交わすから大変だ。室堂の収容人員は確か700人だと記憶していたが、絶えざる泉の如くに降って来られる。

避難所に着いて中を伺うと満杯である。お互い雨の中では何かと不便、止む終えず、雨のベンチでエネルギー補給。目の前にあるべき展望は無い。歩き出したところへレスキューが現れ道を譲って欲しいと仰有る。間もなく大勢の隊員の方とおんぶされた体格の良いおばあちゃんが降って来た。雨の板道はよく滑って危ない。板道の転倒は3度目撃した。雨が酷くなる様なら引き上げるべくゆっくり登る。

ゆっくりでも、歩けばいつか目的地に着くのが良いところ。南竜に折れ、歩く間に雨は小康状態、ガスの間に山荘が見えた。豊かな水に恵まれた別天地だ。暫く雨の様子を窺いつつ一服、ここまで来たら行こうかな。テント場・ケビンを抜けたところはかなり広い湿地帯、湿地を抜けると笹藪に心細い踏み跡が降る。整備されない歩き辛いルートである。見渡す限りガスばかり、初めて地図で位置を確認した。

笹薮を谷底まで降って延々続く登り返し。油坂ノ頭へのルートだ。あれほどの賑わいに比べ、人の姿は無い。遠望は全く無い代わりに、斜面のウメバチソウはかなり賑やか、季節が良ければお花畑である。ここでまた雨、笹薮を歩くとずぶ濡れで嬉しく無い。この後も概ね笹薮を歩き、大きな池塘(池)の傍を歩き、ピークを降りピークへ登って激しい崩壊地の縁を辿るのが大屏風ルート。しかし、歩きはしたが何も見ていない。これでも行ったと云えるのかどうか、目下検討中である。別山は一部の影を確認したのみ。

御舎利山と別山の肩の手前で、大屏風に入って初めて人と遭遇した。横殴りの雨の中、ハイマツは笹薮以上に膝・靴を濡らし、7℃の気温で酷く冷える。雨の中では会いたく無い植物になった。さて、愈々大団円、チブリ尾根の降りである。少し降れば敗退地点、避難小屋からは4度目だ。お花畑はすっかり色を変え、雨の中、オヤマリンドウは今が盛り、カライトソウは終末の様子である。何とか明るい内に降りたい。


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