■ 宝塚 ・丸山湿原
・・・・2024年06月15日
2024.6.16

この時期の丸山湿原にはカキランの黄色い花が咲くらしい。カキランの名と花の画像は何処かで克く目にしてはいた、が実物は未だ見た事が無い。前日の予報では必ずしも良い天候では無い。小雨くらいはあっても寧ろ涼しくてよかろう。ところが、予期に反して早朝の空は概ね晴れ、北の空には雲が広がる。

丸山湿原駐車場に車は無い。歩き出すと予想外の暑さ、咲く花の色は白色で、いつの間に季節は梅雨である。湿原に続く途を歩くと大岩ヶ岳出合で1本のササユリが咲く。辺りに人影は無く、背後に人の影を認めたとすれば、笑みを湛えた百合姫様としても良い。ちょうどそんな様子の似合うユリだ。気を良くして着いた湿原入口にカキランが咲く。山影のここでは、花は未だ半開き、しかし労する事なくお花に邂逅してしまった。

その後は、湿原の核心に至り、見るのはノバラの白い花ばかりで、カキランなどは影も無い。山際の湿地にピンク色の花は見るものの、周辺を避け、手の届かない中央部にのみ咲く花であった(トキソウとあとで確認)。大分様子の分かった積りでいた周辺地理も、その後に辿ったルートは間違いだらけ、強力な陽射しの中の丘陵地は暑かった。暑い陽射しの中で、取り憑いたものは何者であったか。

凡そ4時間ほども、30℃近い丘陵地の登り降り。ヘロヘロになって戻った出合付近に咲くササユリは朝のものに非ず。ピンク色のササユリが2輪、御苦労様と言わんばかりに微笑んでいた。今日はすっかり、百合姫様の掌の中であった。


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