周辺の成立ち、地層・地形の由来などを調べると多くの共通点がある。丸山周辺は凡そ7000万年前の造山活動による凝灰岩がベース、長らく続いた木々の伐採と侵食作用で出来た地形が湿原・ザレ場を作ったとある。同じ様な地形のお山は湖南にもあり、こちらは何と、5億前の地質がベース、同様に木々の伐採の果に出来た地形が岩場の露出した今の地形と案内にもある。意図に拘らず、造山活動に少なからぬ人族の活動が寄与している。そこにはきっと意図しなかった災難と恩恵があったに違いない。
田上公園駐車場に車を止め、建設中の巨大高速道路の下を歩いて天神川を10分ばかり遡る。昨日までの肌寒さが嘘のように暑い。堂山の登山口は川の右岸、浅瀬の踏石を渡って明瞭な踏み跡を辿り、山裾の黒い岩場を這い上がったのは過去の事だ。今日は事前に地図を見て、先の谷間を辿るのが正しいルートだ。ちなみに、地理院地図に登山道の記載は無い。
谷川に沿う、表面を研いた様な大岩の上を歩き、コシダの途を辿ると小さな堰堤がある。堰堤の上側の流れの傍は小さな庭園の様で、澄んだ水に沖積土はほぼ無い。人には優しい光景ではあるが、流れの傍には食虫植物が多数あった。植物には厳しい環境である事の証左だ。しかし、涼しい時間を過ぎた谷間の陽光はとても暑い。もう少し、緩やかな気温の上昇を!、と切に思うのだが、何処に向って訴えよう。水の中はさぞ涼しいに違いない。
谷間を離れ、尾根に登ると目の前は巨大工事現場、お〜もうカッコウが鳴く、と声のもとを目で追うと、何と工事の音であった。街の喧噪こそは聞こえても来ないが工事の音は漏れなくサービス。ま〜賑やかで良い事にしよう。ノイズについては賑やかでも良いが陽射しが厳しい。影を宿せる木々は小さい。小さな木陰に吹く風は涼やかな風である。木陰を探してとうとう堂山のピークに到達、そこから見る光景は、あまり代わり映えの無い光景であった。
来し方の日溜りに後続の男性が見えた。さあ、降ろう。降ろうとするとなかなかどうして、起伏があって少ない高度は容易に下がらない。ご家族連れ御一行を見送って、漸く記憶に残る樹林帯に潜り込んだ。涼しくて快適な区間である。水の流れの出て来た辺りで何やら川床を掘り返す方々を見た。ありゃ〜きっとお宝ハンターに違いない。砂金が出るとも思えないが、水晶だろうか?。
地図では湖沼、水の無い川辺の傍の木陰でエネルギー補給、暫く辺りを徘徊する間に、鎧ダム見学ツアーの皆様が到着して賑やかになった。ここには工事現場の騒音は無い。 |