大型連休の初日で当然人出も多かろう、と思っていた丸山湿原駐車場に止まる車は軽トラ一台。時には雨粒の落ちてくる芳しからざる天候ではあるが、4月の終わりで夏日に苦しめられる事を思えば儲けた様なものだろう。今日の一部の目論見から云えば寧ろ有難い。
丸山と湿原の位置は了解したものの、低い山中に縦横に延びる踏み跡に就いてはその殆どが不明。湿原を見送り、大岩ヶ岳へのルートを見送って先ずは一度歩いた巡視路を目指して谷底の踏み跡を辿り、やがて見えて来る筈の砂礫の丘が、なかなか見えて来ないのだ。標高の無い低地の丘陵であるから何処かに出るには違いないが、まさか大岩ヶ岳に出てしまって驚いた。谷途は北に曲折するルートであった。
雨のパラつく大岩ヶ岳にも高速道路の賑やかでな様子が聞こえて来る。パトカーに加えてヘリが飛ぶのは何事だろう?。丘陵を這う音波のお陰で折角の幽谷の雰囲気が台無しだ。雑念を払い、再度方角を巡視路に向けて南に続く踏み跡を下降、斜度のある始めて辿るルートである。それなりに歩いて気が付いた。どうもこのルートは千刈ダムへ続くルートに違いない。青いダムの湖面が見えて来ると何度か歩いた踏み跡に戻されてしまった。
谷川の先の急斜面は、濡れて藪が酷くて登りたくない。大岩ヶ岳を目指してアベックが行く。ダムに降り、迫力満点の越流を見ている間にまたもやアベック。駐車場は空である。さて、ここからの登り返しは2ルートある。ひとつは目指す関電ルート、もうひとつは「風吹岩」、岩のオブジェの立つルートだ。オブジェルートはちょっと長くて小さな谷川を3〜4回渡渉する。無論ガレ場付きだ。
オブジェルートは橋を渡り左岸の古道らしい途を行く。ここにも湿地は見るもののザゼンソウの類は見なかった。風雨に削られた山裾の先にあるのが「風吹岩」、可愛らしいキノコ岩である。時折雨はあるものの、広い景色のあるここでエネルギー補給、熊鈴を鳴らす、ソロの男性が降って行った。今日6人目かな。食後、目論見のひとつを探してザレ場をウロウロ、徘徊派であるからウロウロするのに吝かでは無い。いつの日か報われん事を期待しよう。と、初日に思う日である。 |