■ 伊吹山地・横山岳
・・・・2024年04月14日
2024.4.14

雪解け後の横山岳、天候不順のお陰もあり、雪割草とヤマシャクヤクが一度に咲く光景もあり?、と破格の期待が少なからず、先ずは穏当な春の景色を見に出掛けた。驚いたのは、満開の桜の下の駐車地に車が少ない事。続くコロナの後遺症で、春本番を通り越したこの週末などは大勢のハイカーが押し寄せる筈であった。が、車は3台、広い駐車地では地元のお年寄りが山菜とり、まことに鄙びた光景である。こうした事は、新型コロナの完全終息を指すのだろうか?。クサイチゴの花は見るものの、イチリンソウの姿が無い。

コエチ谷に入るとチラホラ咲きのイチリンソウ。それにしても暑過ぎる。冬装備を解き始めたばかりでこの暑さ、立ち昇る煙は棚引く事も無く、折角の好天に棹さすようで心苦しくはあるが、せめてそよ風くらいは吹かせて欲しい。陽のあたる急斜面を前にして、ちょっと折れそうな心模様、小さい花を着けるイカリソウも同意見であった。

厳しい斜度と強い陽射し、汗を拭きつつ見回したケヤキの枝に萌え出る若葉は未だ無い。汗を出すのも目的の半分であるから、鳥越峠に辿り着き、見回した下界から西尾根の光景は清々しく見える、克く頑張った。山腹の林道では、お役所の方が道の状況を検分中、ここでは颯爽と三高尾根を辿る姿こそが望ましい。わかっちゃいてもこう暑くては、その勢いが出て来ない。道端で新芽を伸ばすタラの芽などを鑑賞中と言う事で暫し休息。

さて、愈々敵は不人情を形にしたこの急斜面、イチリンソウも無ければ賛同を求めるイカリソウもごく僅か、ひと斜面を終えると僅か10mの緩斜面。苦しさを緩和するのはこの先に続く展望の良い緩斜面だ。咲いたばかりのカタクリや筆リンドウ、辺りを覆うイワウチワの花がお迎えの予定。と、暑さと乳酸に耐えて歩く先からピーピー、鹿の警戒音が聞こえて来る。

下界の萌え出る草花をおいてなお、この高みを目指す鹿の狙いは何なんだろう?。カモシカに憧れ遂にカモシカの運動能力を獲得しつつある鹿だ。もしや、遂にグルメを目指す鹿の登場だろうか?、おのれ、グルメ鹿め〜。白谷の瀬音の届く三高尾根で、今年始めてツツドリが鳴く。そんな折に、降って来られた男性が一人、にっこり笑って「この先に、カタクリが咲いてますよ」。

斜度が緩むと次々に現れるスプリングエフェメラル。しかし荒れた雰囲気の先には鹿の寝床か確保されている。やはりグルメ鹿の出現を予想させる光景ではある。さて、行程は大詰め、筆リンドウは見ないがカタクリ・イワウチワ、未だ咲かないヤマシャクヤクなどの姿を拝んで登る最後の急登、人でなし尾根は容赦が無い。降参寸前で辿り着いた横山岳西峰、おっちゃんおばちゃん登山隊の皆様が寛ぐ。流石に日溜りを避け、残る辺りに木陰が無い。

ならば、と東に歩いて残雪の木陰でエネルギー補給、が食欲が無い。今日は随分虐められた。森と静まり返った山頂尾根に、どやどやと三高尾根を降り始めた登山隊の声が聞こえる。正面に能郷白山、背後に真っ白な白山・別山の良く見える日である。傍の木にモジャモジャの黄色い花、マンサクは咲き始め、コブシは咲くばかりの様子。東尾根のブナの林は一面のイワウチワで賑やかであった。最後に思わぬ支援を頂いた。ありがとうございました。


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