■ 丹波・五台山
・・・・2024年04月06日
2024.4.7

加古川に沿う、延々と続く桜並木、川の蛇行する辺りは奥行も出来て、ひときわ柔らかい光景が広がる。惜しむらくは今日の霞、春霞は確かに奥ゆかしさの所以ではあるが、川霧でもないようだからちょっと残念だ。登山口の岩瀧寺の前の桜は5〜6部咲、ひらいたばかりの花びらに不思議に鮮やかさが無い。ピンク色が少なくて、ちり際の様に白っぽい色だ。不順な天候、3月の冷え込みによる影響であるなら、木々には相当のダメージであった事の証左である。

トレランの男性は走って奥に消えていった。毎年、真っ先に咲く小さな花の桜の横に、枝垂れ桜が満開だ。これを鑑賞しないで通り過ぎてはもったいない。境内には、セリバオウレンの咲く一角があったが、花は一度もお目にかから無い。今年こそはと行って見るとやはり見事に種ばかり、連れない花である。

さて、お花の鑑賞が終わったので、長い階段を登って滝の巻道へ向う。降り続いた雨を集めて落ちる独鈷の滝、多めの水は、川床に降りた処の災難である。鎖を使うと靴は水没する他なく、濡れた岩場は滑る。何とか渡りはしたが、増水時の足場は欲しい。砂防ダムの上に登ると早くも咲きだしたヒカゲツツジ、こう毎年早く咲くようでは、皆様のヒカゲツツジ鑑賞ツアーは計画の見直しが必要だろう。

同じく増水時の難関であった谷川の渡渉地点に新しい丸木橋が出来て楽になった、有難い。谷川を離れて林道に辿り着いた。下界はどうでも、ここの気温は7〜8℃で、一枚脱いだ、発熱する身体にはちょうど良い。植林地の山腹に続く途を歩いて尾根に出た。ここで踏み跡は2つに分かれ、いつもは無難な山腹コースを辿るのだが、ときには変化も必要だ。踏み跡の薄い、斜度の厳しい尾根コースを行ってみる。

厳しい斜度が3回、やがて、ピーク下辺りの岩場を越えると五台山ピーク。ピークで待つものは一人文殊菩薩、無人のテラスで見下ろす美和峠辺りの曲線が良い。20℃のテラスでゆっくりエネルギー補給、さて後はどうしよう。いつもの様に周回で終える気分では無い。一度だけ辿ってみた、巨大な砂防ダムが出来つつあった、鴨内谷はどうなったろう。後顧の憂いもなんのその、峠から鴨内谷川を降り、加古川沿いを歩くロングコースに計画変更、しかし脚はだるいし暑かった。

鴨内峠からの西側下山コースに踏み跡はほぼ無い。砂防ダムは完成し、ダムからは綺麗な道も整備され広い駐車地もある。山抜け部は平易な谷に戻りつつある。


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