■ 加東市・大坂山-数曽寺最高峰
・・・・2024年02月24日
2024.2.25

「この先私道」の看板手前に車を止めた。直ぐ前を2人のパーティが先行する。用意の整う間にソロの男性が行く。いつの間に、大坂山界隈は売れっ子に変貌したのか?。歩き出したところで、左の林で起こるキジバトの悲鳴、ギョッとして様子を窺ったところ、何かが絡んで不自由そうに見える個体が一羽。これはイカン!、と藪を掻き分け救助に向ったところ、着いてみると少し先に移動した後だ。とすると羽根は自由で、その他の理由による喧騒であるなら無用なお節介、飛んだ騒ぎで皆様に遅れをとった。

宅地を抜けた南尾根登山口をパス、廻池?、まで降って西尾根からの取付き。直ぐ北側の尾根は魅力的だが朝からの藪漕ぎは一度で良い。岩尾根に登ると南尾根からの視線が眩しい。曇天の中、冷え込む岩場の上でのポーズとりは役者の資質が肝要である。双眼鏡で見詰められても肝心のポーズが出て来ない。さっさと行こう。しかし北尾根は形が良い。

第1ピークを踏んで第2ピーク、1年程の間に確りした踏み跡が出来た。マダニのリスクは減少するし、暫くすれば、ムカデの脅威の低減にも繋がり有難い。有難くはあるが、徐々に丸くなるキレットはどうしたものか。ゆっくり歩くと後続の声が賑やかになった。299のピークを越え、峠に降下するばかりの鉄塔の前で小休止。先行するお二人の背中は大坂山の岩尾根だ。

先ずはお二人、大坂山はどこですか?、と聞く加東アルプス初心者さん。次のお二人は経験者らしく直ぐに降る。500に満たない大坂山は眼前に聳え、静まり返る数曽寺谷に人影は無し。こうして仰ぎ見る大坂山は大層立派なお山である。遠くに見える三草山も立派なものだ。あの尾根の形が素晴らしく良い。今日の狙いは大坂山の先に聳える数曽寺最高峰、西側から見る最高峰は一番に立派、さて降ろう。

次々に、山腹の岩場を抜ける様子を確認し、着いた峠からの登り返しは思いに反してけっこうキツい。心成しか、登山道の踏み跡も少なく見える。陽射しの出て来たフェイクピークには大いに落胆。ハシゴ岩を越えると大坂山ピーク、皆様は揃って食事中。大きく弧を描く尾根の先に聳える最高峰、実は、見えるお山が前衛である事を知るのは1時間後である。

風の無い日溜りで寛ぐ皆様と別れ、降り始めると斜度が厳しい。踏み跡は当然少なく、応えるのはルート上を覆う樹木だ。中腰はけっこうな苦痛、そうしていても頭を打つ。殆ど樹木の下を歩いて遠望は全く無い。着いた、と思ったところは前衛であった。緩やかに登ると最高峰ピーク、大坂山と同じく切払われて、ここだけ明るく展望が得られる。振り返って見えるのは前衛だけ、ここで始めて前衛の存在を知った次第。

陽射しはあるものの気温は氷点下、エネルギー補給と同時に往路をピストン。南に降るルートはある様だが今日はピストンで良いのだ。無人の大坂山に戻ると温かさが身に沁みる。南に降り、400への登り返しが酷く応える。駱駝の背を降り、急傾斜の巡視道を降るとバイクの音が木霊する数曽寺谷。そのバイクも去り、昨日の雨を集めた流れの中をぼちぼち歩きで駐車地へ。満開の梅の花びらの散る温かい日であった。


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