■ 中国山地・三瓶山
・・・・2024年02月10日
2024.2.12

中国山地も脊梁辺りに差し掛かってなお雪が無い。三瓶山の西ヶ原の駐車場には数台の車が止まり、設置したばかりのグランピングは跡形も無い。温かい陽射しの溢れる芝生の上ではお母さんと子供が遊ぶ。暖冬とは云いながら、流石に今は厳冬期、もしや日本の冬、雪に埋もれた光景は、お年寄りの語る古き良き日本になり果てるのか。どう見ても春の光景だ。(西日本では)

登山口の横に立つ「定めの松」、枯れてはいても小氷河期を400年以上も見てきた木である。枯れ松の前を歩いて男三瓶の登山口まで歩く。温かいとは云いながら、抜ける風はやはり冷たい。遠望の霞んで見えるところは山陰の冬らしい。大江高山火山群は辛うじて、シルエットだけは特別サービス。真っ直ぐ登ると子三瓶との鞍部に続く。左に登るとカラマツの林を辿って男三瓶、今日のルートだ。ここで姫逃池(ヒメノガイケ)に続く道を見つけた。これで周回ルートが出来てしまった。

雪の無い登山道は葉を落としたカラマツの林。温かい季節が訪れるまで陽の光が降り注ぐ世界だ。この様な条件は雪割草を連想させる。オキナグサの噂は聞いた様に記憶している。もしや、この辺りに咲くものか。雪割草は見ないがヤマイモの採取跡は多い。人のみに非ずイノシシも大いに活躍している。山に産するものの多い証拠で褒むべき事だ。

などと、綴ら折れを登ると汗が滲む。汗が滲むところへ男性が降って来た。雪の出てきた岩尾根で、子三瓶の様子を伺う間に親子連れが追い付いた。子三瓶の上は無人で標柱らしきものが2本覗く。親子に道を譲るとお父さんが先行した。滑る雪山を子供は克く着いて登って行く。頂上大地は凡そ40cmばかりの雪に埋まる。頭を出したカヤトの中は固く締まり、何処でも歩けそうだが落し穴は怖い。先の親子はピークを踏んで、直ちに山小屋に消えて行った。

ピークは強烈な風が吹く。低いとは云え独立峰、今日もまた連れない大山などに、恋々としていては氷付く。北側の樹木は全て樹氷が着いて真っ白、しかし木は重くて大変だろう。陽射しが覗くと煌めいて綺麗ではある。周回する予定であるから北側に降る。北側の雪はけっこう多い。のみならず斜度もきつく踏み跡はよく滑る。アイゼンを着けるほどでもないから柔らかいところを慎重に降る。風の切れた雪のベンチでエネルギー補給、気温は−4℃で手には良く無いな〜。

後続の男性が勢いよく降って行った。これで今日の出逢いは4人になった。漸く人気の無い寂しい姫逃池まで辿り着き、西ヶ原へのルートを確認して一安心。期待した、ブラブラ歩きの遊歩道より、やや厳しい山腹道は多いに堪える道であった。


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