■ 播磨・足尾の滝・天狗のとまり木
・・・・2024年01月13日
2024.1.14

千ヶ峰を、七不思議コースから登るべく、岩座神目指して車を走らせ、ふと見た道路脇に「足尾滝登山口」の看板を発見してしまった。路肩に車を止め、ここはどこやねん?、と地図を確認、え〜!、ここは生野、千ヶ峰の尾根筋は通り過ぎてしまった、何たる不覚。見上げる右手のお山は苦労した天狗岩のある高星山ではないか。う〜ん、とここで沈思黙考。ここまでの迷走は初めてだし、目の前の看板は登山口を示している。もしや摩訶不思議な力、神々の思召しでこの看板に導かれたものであるならこれは幸運に違い無い。反対に、宇宙の負の連鎖の成せるところなら何れ何事かの予兆に違い無いのだ。そしてこれは登ってみて分かる事に違い無い。

そう云う訳で、殆ど迷子の状況で、今日のターゲットは足尾滝に決定した。古い道標に誘導された専用駐車場へのルートは恐る恐る、疑心暗鬼で辿る先に立派な駐車場を見た時は驚いた。山を背にした墓地のある駐車場だ。う〜ん、何だか愈々ミステリアスな状況ではないか。山深い狭い谷間に列ぶ由緒ありげなお墓群、これだけでもお話のネタになる。

陽射しは多少あるものの雲の多い空、寒気の南下で崩れは必至だ。大きな看板の横から林道を登ると真新しい砂防ダムがある。次に砂防ダム建設現場があって人影は無い。事務所前に車が3台、発動機の音が狭い谷間に木霊する。つづら折れの道を辿ると植林が切れ展望が拓ける。大岩小岩の急斜面の樹木はミズナラが多い。が、中には立枯れた木々も多く何やら凄みのある光景である。

何度か曲折を歩くと300m程は登った筈だ。林道と分かれた滝への道は背の低い冬枯れの草の中。踏み跡の残る道の先に断崖絶壁が見えた。絶壁の下まで歩くと僅かな水の落ちる滝がある。水は少ないが絶壁は一流、山の裂けた跡は迫力がある。「天狗の止り木」と云う樹齢1000年の桧があるそうだが何処だが不明。滝の巻道らしき踏み跡を辿り、やや腐朽の進む木橋を渡って滝の上まで歩く。崖に迫り出す位置に、太い枝を自在に伸ばした桧の大木。

冷たい風の吹く滝上は寒い。桧の前は木製のテラスとなっているものの橋と同じく腐朽が進んで危険な状態。注連縄を巻く時は足下のロープで確保したに違いない。気温は更に下がった様だし、天狗は不在で会話はなし。もしや、高星山の天狗岩においでかもしれないがいつ帰るとのメモも無い。降ってから見上る滝上に、枝を拡げる木はあの桧であった。で、宇宙の神秘を紐解くような出逢いはあったかどうだか不明である。うろうろするところへ雨がきた。


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