■ 加東市・三草山
・・・・2023年12月16日
2023.12.17

傘さして向かうお山は三草山、雨は小康で駐車場はガラ空き状態、東屋のテーブルの上には小さなツリーが置かれている。雨上がりの空は重くて暗い、が気温は14℃もあって温かく、期間限定のサービスである。少し先に、おば様が行かれた。尾根に乗ったところで、おば様の後ろ姿は何処にも無い。こんな低山をただ歩いては面白味に欠ける。少し前なら生命の横溢するお山である。そんな名残を探すと雨に濡れ、虹彩を放つ赤い実が残っていた。光が少ないのが玉に瑕。羽根を畳んで雨に耐えるコウヤボウキ。

滑りそうで滑ら無い岩の上には熟れたウラジロの実が転がっていた。高みに着いて見下ろした谷間に昭和池の緑の湖面が無い。池は干上がって水は満水時の半分も無い。それでも頑張って歩くと汗が溢れる。無人の山頂で汗を拭き、改めて古戦場の謂れを読むなどして小休止。後続の単独女性が着いて、フラッグツリーの下で休息中。うねうね続く尾根上に人影は無い。

長く留まると冷えて来た。南側に降って周回コース、ツルツルの急降下は剣呑だ。踏ん張ると滑りそうだし、苦労して降る間にまた汗になった。展望の良い、背の低い樹木の尾根を辿りつつ再び昭和池が景色の中央。どうも低いお山ばかりで盛り上がりに欠ける。「山、高きが故に貴からず」と云いながら、高い山はやはり有り難い。文字通り、滅多に無いから有り難い。滅多に行けないから有り難い。三草山などは低山中の低山だが、池のお陰で深山幽谷の雰囲気を味わえるところに良さがある。水が抜けるとよく分かるのだ。

などと、考えている間に乾いた池に降って来た。水面はずっと先の谷底まで後退し、無機質な砂地の底を堰堤まで歩いた。背中は汗で濡れている。


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