■ 大峰・川合〜天女の舞
・・・・2023年11月11日
2023.11.12

芳しくない天候である事は急速な寒気で分かっている。が予報では中南部では晴れ間も覗くまずまずの秋日和などと唆すから、大峰に行くなら今日、と高速に乗った。順調に行く筈の阪神高速、工事閉鎖区間の迂回ルート探しで思わぬ時間を費やしてしまった。着いた河合の役場に残るスペースは少なく、ややガスっぽいお山は黒雲の下。雨のないのが有り難い。用意の整う方々の行き先は渓谷だが、見回しても、賑やかな紅い色黄色い色は見られない。曇天の所為ばかりとは思えない、低調な光景にも拘らず皆様は何処へ行くのだろう?。

先ずは嫌いな鉄塔までの暗い植林地。ルート沿いの伐採で、幾らか明るくはなったのだが、急斜面に続く階段と木の根の道は変わらない。始動直後に無謀なエンジン負荷をかけては失敗の連続。山道を歩きながら考えるスタイル、で登って乳酸の蓄積抑制に成功した。見下ろした渓谷にノロノロ走る車が2台、人の姿は無い。お山はほぼガスの彼方、綺麗な紅葉は見ないが葉を落としたムラサキシキブに雨粒が着いて綺麗だ。

植林と松の林の続く尾根道は落葉で明るい。黄色いクロモジの葉は登山道の道灯り、ところどころ、針葉樹の切れ目に残るモミジに色付いた葉が残る。あれほどあったキノコの類はここでは1つも見なかった。フカフカの道は危険でもある。坪内林道に着くと2台の軽トラが止まる。ここまで車が入ると楽々なんだがな〜。荒れ模様の空から強風に乗って雨がパラパラ、温度計を見ると1℃、寒い。

補修が入るらしい巨大林道を歩いてショートカット、これで随分楽になる。賑やかな声に振り向くと2人の女性、靴音がリズミカル。次は長〜い栃尾辻、似たようなアップダウンの続く面白くないルートだ。1速上げて歩くと忽ち後続の声が途切れ、見えて来ないはずの栃尾辻の小さな小屋が見えて来た。やれば出来る!。

愈々募る風に加えてガスが酷い。天女の舞までの坂道を抜け、金引尾根出合いまでの巻道の途中で賑やかな腹対策にエネルギー補給、ハンバーガーでは腹持ちが悪い。変わらず賑やかな後続のお二人が追い抜いて行った。エネルギー補給も終わり、山陰ではあるが大荒れの様相、ガスも酷いしこのまま行っても面白みに欠ける。ここを登れば「天女の頂」。ただに降っては敗北であるが、天女の頂は立派な目標である。

そんな事で、ターゲットは巻道の上のピーク。ガシガシ登る途中から、冬枯れの、暗い登山道を行く人を見下ろすのも一興で有ることを知った。と、そのうちのお一人が、こちらを見上げて登って来られる。大きなザックを背負う女性だ。天女の頂に行きたいとの事で、暫く待って一緒に頂に到着。3泊4日で、今日は弥山、最後は大杉谷と仰有ったがおそらくは大峰の南部の間違いだと思う。女性を見送り、テン泊に良さそうな平坦地を見ながら降るルートは寒かった。暗くなった針葉樹の林の中に灯りが見えた。紅葉したクロモジの葉は、登山道のみならず、林の中のともしびであった。


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