■ 若狭・青葉山
・・・・2023年11月03日
2023.11.5

紅葉真っ盛りの今日このごろ、人混みを避けると行き場所が無い。大峰は課題ではあるが混雑はピークらしい。加えて熊の出没ニュースが更に難しくする。飢えた動物を前にして、冷静を説いても詮無い事だ。熊が不在で人混みもほどほど、紅葉が付いてくれば文句なし、久しぶりに海でも見えたらこの上はわがままである。そこで浮上したのが青葉山、梅雨と夏場に歩いてはいるが、色付く岩陰と秋の島影は未だ見ていない。

東の登山口であるハーバルビレッジに着いてまず驚いた。大きな駐車場がほぼ埋まっている。お隣りには、歩き出すばかりの登山隊が最後のチェックに余念がない。施設の庭にはテントがニ張、施設内にも多数の人の姿がある。どうやら駐車場の車全てが登山者では無いらしい。登山口の鳥居を潜り、前には例の登山隊、後ろにソロの男性が着く。

直後は杉の植林地で暗い。初冬の出で立ちでは少々暑い。先を行く登山隊の小休止の間に先に出た。ソロの男性の熊鈴は不思議な音色だ。道を譲る折りに見たところ、カップとスプーンで作った即席の鈴である。なるほど、そんな使い方もあるものか。展望所に着いて一休み、風も無く腰を下ろす空きも無い。ここからはほぼ自然林、心持ち色付いた林の道になった。紅葉か枯葉か際どい状態だ。

なかなか斜度の緩まない階段の道は応える。南に展望の開けるはずの恵比寿様の祠?、で下界を覗いて、ここらへんから足が重い。厚めのシャツを脱げば楽になる、が面倒くさい。フラフラ登る山頂直下、ブナの倒木に出た鈴生りのキノコ。これはナメコに違い無い!、とヤブを降ってガッカリ、美味しそうに背丈を競うヌメリスギタケ、食用ではあるがノーサンキュー。アドレナリンの放出でエネルギーが尽きた。目が回る。

やっとこさ東峰ピークに着いて小休止。ソロの男性も休息中、後から登って来られたご夫婦が「応えますな〜」。風の吹く山頂は有り難い。どうやら目眩も収まり登りは無いし、西峰目指して岩場を行く。なかなかスリルのある岩尾根だ。梯子の脇に咲いたキンレイカは影も形も無い。西峰に着き、夏と同じく木陰の出来る岩の上にザックを置いて、大岩に登って海を見た。今日の海はベタ凪で、ややガスっぽくはあるが良い景色。岩の上に戻ってエネルギー補給、例の登山隊が到着して隣に腰を下ろす。そろそろ下山しよう。

寺に降ると地道歩きが長くなる。林道に降れば多少短い。林道は色々と観察出来る楽しみがある。林道を抜け、集落の中の長い道は暑かった。ハーバルビレッジの木陰で寛ぐ間にソロの男性が帰還された。車の温度計は27℃であった。


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