■ 丹波・西光寺山
・・・・2023年09月09日
2023.9.10

サギソウの噂を聞いて、些か遅い事を承知で西光寺山に来てみたところ、サギソウの代わりにヒヨドリバナの咲く草地があった。草地なども近頃は希少であるし、ヒヨドリバナなら、気温の下がる頃のアサギマダラの南下ルートに選出される可能性もある。今日の朝はやや過ごしやすい気温だ。このままうまく秋に突入、と思えるほども優しい日差しでは無い。日陰を離れると痛い日差しで忽ち汗。

サギソウ自生地の看板の辺りは笹に覆われ侵入不可、体サイズの穴はあったが朝からイノシシでもあるまい。朝露に濡れたシダのルートを避け、巡視路に続く東尾根ルートを進む。樹林の中で日差しは少ない。林に入るとキノコが多い。巨大なものはおよそ30cm、シロオニタケというらしい。近頃の天候がよほど菌類に良いのか、或いは別の原因があるのか、岡山の山でも多かった。

鉄塔を2つ過ぎると林の中の赤テープを拾う。古墳の様な石窟を過ぎると適度に踏み跡が残る。鹿の悲鳴を聴き、改めて見回した林床に彼らの食料は無い。では何を食べて?、と大量に発生するキノコを見ると、どうやら鹿の食べたらしい跡。同じ種類のキノコでも食べたものとそうでないものがあるところを見ると、空腹紛れについ口にしたのが正解ではないか。彼らも大いに苦慮しているのが分かる。

樹林を抜け、尾根に乗ったところで北尾根から聞こえる賑やかな声。快適な尾根歩きは直ぐに終わりピークへの急登、なかなか登り応えのあるルートだ。杉の倒木の下に小さなミヤマウズラが咲いていた。近頃では極めて珍しい。無人のピークに着いて四阿で冷たいものでクールダウン、右から左から声の聞こえる今日のピーク、直ぐに四阿どころかピークから溢れるほどの人出である。

やや心残りではあったが皆様に木陰を譲って降りルート、単独の男性が登って行った。降る途も花ならぬキノコの途、穏当ならぬ現象の予兆であるとしたら、妖怪よりも恐ろしい。


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