■ 中国山地・岡山県立森林公園
・・・・2023年09月02日
2023.9.3

大水の痕跡が残る道を辿り、森林公園の駐車場に着く。雨上がりの駐車場に多数の先行車、岡山の方々は健脚揃いだ。歩き出したところで注意を受けた。熊押し滝のルートは通行止め。台風7号の残した爪痕である。モミジ滝に向かう道の傍の湿原に花は無い。賑やかに囀るのはソウシチョウである。他の小鳥はどうしたろう。増水した谷川を覗くとアマゴの背が揺れる。イワナかとも思えたが、太平洋に注ぐ水系ではやはりアマゴだ。

黒い一枚岩のモミジ滝は滑滝の類であろうと思うが何度見ても美しく無い。滑滝はお肌のお手入れが肝要である。ご高齢の3人組に代わって千軒平へのくの字の道を登る。気温は17℃で、大阪辺りの猛暑を思えば極楽の様な環境だが、溢れる汗は先週に変わらず、上半身はほぼずぶ濡れ。湿度が高く風が無い。キノコにはよほど良いのか、花に代わって大小のキノコの道が続いている。熊スズを鳴らして、男性が追い越して行かれた。

尾根に乗り、ブナの林の道では風の接待を受けられる。これで相当に楽になった。立派なカメラをお持ちの男性を、ソウシチョウが威嚇する。威嚇するのは男性ばかりか何でもかんでも威嚇するのだ。他の小鳥は堪らずに去って行ったに違い無い。人族は特定外来生物に指定してはいるが対策は無い。そもそも人族の起こした災いで、お山の小鳥なぞは大いに迷惑している。

などを観察しながら降って登って、前方が明るくなると千軒平だ。ガスが晴れ、谷を隔てた若杉山への展望が良い。今日の若杉山ピークは無人である。夏草の中に一輪咲いたタカネマツムシソウ、反対から来られたおば様のカメラにもしっかり収まった。気持が良いのでここでエネルギー補給、暫し休息。午後の部はモミジ平方面に歩く。背の高い笹薮を切り開いた道を本土キツネが横断して消えた。他に見るものが無い。

いつの間に超えたのかモミジ平を確認する前に大杉への分岐に着いた。このまま歩けばスズの子の平を経由し六本杉に降って周回が可能。スズの子平は一度見ているし、大杉はサンショウウオの所為で確認出来て無い。大杉を見たいので、ここで右に入って奥ブナ平方面に向かう。大杉は案内プレートのある立派な杉であった。が、石徹白大杉や芦生の台杉と比肩出来るほどのサイズでは無かった。古くから続いたタタラ製鉄の燃料などで、伐採された樹木も多かろうから止む終えないか。

奥ブナ平を抜け似たような森を歩いてブナ平に到着、ここは始めての場所だ。駐車場まで残り1キロも無い地点である。見上げた北の空の薄雲の間に青空が覗く。天気は回復傾向で間違い無い。


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