■ 北摂・鳥飼山〜昼ヶ岳
・・・・2023年08月19日
2023.8.20

前回降りて来た高畑峠、低い山と小さい谷、小さな集落の点在する地域だが、迷った挙げ句に地道を2時間も歩いて戻った事がある。地図を見ても、内田池と県道12号の間は平易な地形に見えながら、やっぱり謎めいて見えてくる不思議な場所だ。どんなところがそう思わせるのか、謎を解くためにもう一度歩いてみよう。

波豆川集落に降りると濡れた路面、木々の葉に光る雨、風はソヨとも吹かず、曇天で、蓋をした鍋底の様なコンディション。前回は台風のお陰で風だけはふんだんにあって助かった。閉鎖された峠への路は暑かった。せめて流れる小川でもあれば慰めになる。水の涸れた淀みに繁る夏草を見ると暑苦しい。山に入る前から大汗だ。峠の南側に立つ登山口から入る予定であった。が、薄日の中の、荒れた登山道を見て止めた。北側の、鳥飼山の登山口には陽射しが無い。

と云うような事で、今日の予定は鳥飼山〜昼ヶ岳、内田池まで歩いて周回する。距離にして前回の凡そ半分、やむを得ない選択だ。登れば風が起こる、と期待するも風はなし。濡れた落葉の中は暑い。樹林の下で陽射しは無い、が、こうも風が起きないとやはり鍋底。風の起きない原因は、何処も同じ気温だと言う事だろう。鳥飼山ピークの岩の間に、かなり大きいマムシが一匹。ヘビを見る機会も随分減った。気温はそれほども高く無い。お陰で羽虫は元気が良い。耳の傍をプンプン翔ぶ。放っておくと目に飛び込む。目にもの見せてくれよう、と凄んだところが虫に効果はまるで無い。悔しい。

南昼ヶ岳の山標を過ぎた。木立の向こうに聳える昼ヶ岳、しかし斜面を降る不条理。あ〜せめて雨でも降れば涼しいものを、見れば青空は広がりつつある。昼ヶ岳の南斜面はお助けロープが長々続く。登り詰めた昼ヶ岳で、エネルギー補給の予定であったが食欲も無い。全身汗塗れで衣服はずぶ濡れ、水風呂が恋しい。明るい林になって羽虫が退散した。ひとつ憂いが減った。内田池に降りて、ここからは地道歩き、今は樹林に覆われている。が、嘗てはススキの風に靡くところであった。謎は解けるどころか、時空の迷路の様な山域になった。


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