■ 北摂・行者山〜昼ヶ岳〜鳥飼山
・・・・2023年08月14日
2023.8.15

一度だけ歩いた昼ヶ岳はどこか特異な印象が残っている。少し前に歩いた大船山から尾根続きで歩くとちょうど半日程度で周回が可能な距離にある。台風のお陰で陽射しは少なく風はあり、ゆっくり辿るコースとしては申し分ない。パラパラ落ちる雨は天に任せるほかは無い。

有料駐車場の手前に、狭いが有料の看板の無い駐車地に車を止めた。ぼんやり歩くのが今日の趣旨である。十倉への峠道に入り、辺りの喧騒は強めの風に掻き消されて、山鳴りだけが轟々と鳴る。涼しくは無い峠から、右手の尾根に残る薄い踏み跡に入る。古い道跡の残る尾根道に、古いテープが丁寧に付けられている。

ピークまで登り汗を拭き、下界の様子を覗いて降り勾配、いい加減歩いたところでテープが無い。ルートミス、登り返して一休み、腰をおろす石も倒木も無い連れないピークだ。針路を北へとり、変哲も無い雑木の林を歩いて2つ目の峠に着いた。歩くものの途絶えた峠道が尾根を降って杉の林に消えて行く。正午を告げるサイレンが鳴り響く。

急勾配の岩場を登り行者山、山標にそう書いてあったと記憶しているが定かならず。黙々と歩いて前方が明るい。ザレ場を降ると内田池の前に抜けた。雨でもあればここでお終いのところ、寧ろ幾らか明るくなった空を仰いで昼ヶ岳へのルートを行く。池ほどの水があるなら、顔を洗い手を洗うほどの水場がありそうなものだが無い。緩やかな起伏の続く源流域を歩いて昼ヶ岳ピークに到着。記憶のピークは冬枯れの季節、葉叢に覆われたピークは何の特徴も無い。

さて残すは鳥飼山、と降るルートの急な事、トラロープの設置された途はよく滑る。アップダウンの厳しい途は長々と続き、樹林の下では位置も不明、テープが頼みの途である。加えて蜘蛛の巣が多く、東北のどっかの会社が蜘蛛の巣繊維を開発したはずであったがどうなったろう。岩ゴロゴロの途を登ってやっと鳥飼山の山標を拝んだ。

ここからは降るばかり、と安心している傍で枯木が倒れた。一本着ける間、耳をすませばけっこうあちこちで異音が起こる。長々と降って舗装道路に降りまずは安心、猪名川との境で、右に降れば車を止めた波豆川に辿り着く。歩く地道が少なくて済む。


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