■ 綾部・水源の里〜シデ山〜鳥垣林道
・・・・2023年07月29日
2023.7.30

こう暑くてはかなわない。涼しくて閑静なお山を探したところ、京丹波の西側に、水源の郷と称する鳥垣渓谷というのが見つかった。渓谷を歩きシデ山に到るコースである。古屋への道は深い谷の中腹を通り、如何にも渓谷と云うに相応しい。較べて鳥垣渓谷はというと普通の谷川程度で、皆様の情報を見ても小さな谷川だ。しかし涼を求めてのコースであるから涼しげでさえあればそれで良い。

小さな集落の細い道に、迷惑な路上駐車はしたくない。水車小屋跡、と銘記された道脇の小広い区画に車を止め、様子を窺うところへ近所のおば様が現れここに止めても良いと仰有る。有難く止めさせて頂き、川沿いの道を少し歩くと広めの駐車場を発見した。杉の木の間に続く道を歩くと舗装が切れたところにもうひとつ駐車場、2〜3台が駐車可能で1台は埋まっている。先を行く方々があるとは心強い。

涼しげな滝の懸る谷分岐があり、右を辿れば目指す渓谷、左に歩けばシデ山とある。渓谷を目指して来たものに渓谷以外のルートは無い。しかし、両側植林の間を流れる細い谷、沢登りの様な爽やかさは期待しても無理な様子だ。左岸に続く獣道と見紛うばかりの踏み跡には確かに今日の踏み跡が残る。ところが蜘蛛の巣は残るし繁る夏草も元気。一体どんな人が先行するのか?。

滑る岩と蜘蛛の巣・夏草を避け流れの間を縫って登ると前方に大きな滝が現れた。夏草に埋もれた薄い踏み跡は尾根中腹まで続いている。期待した涼しさとはほぼ無縁、樹木の下には藪蚊が多い。思いの他大きな滝場を巻いて、道標の立つ分かれに着いた。右はシデ山、左は林道、夏草の中はもう充分。一旦林道に出て、林道経由でシデ山を目指すべく、左のルートを辿るとあれれ降る一方だ。

これは不味い、取って返して道標まで戻ったところで降って行く先行者の後ろ姿。想像の通り小さい人であった。右へ歩くと植林が切れ、自然林に覆われた谷川に沿う快適な途が延びる。ここで顔を洗い汗を拭き小休止。さっぱりしたところで明るさが欲しい。明るさを求めて上へ上へ、着いた林道横の芝の広場は木陰の下の風の抜ける展望所であった。

ここで冷たいもので体の内側から冷却、テン泊装備でもあればこの後は無かったかな。さて残すは水平距離1km、標高差200ほどだ。休んだ後はそれなりの歩きも出来る。着いたシデ山ピークの岩の木陰は風の吹く別天地であった。長老や地蔵杉を見ながらエネルギー補給。無人のピークに長椅子でもあれば午睡も可能。気付けば黄昏、では困るから午睡は無し。林道まで降り、木陰の消えた広場まで戻って、さて藪蚊の途は折角の気分に水を指す。長くはあるが展望に優れた林道がこの際望ましい。でもやはり林道は長かった。降ると上る辺りの気温、山影に入ったばかりの集落は強力な熱気の中であった。


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