■ 北摂・大船山
・・・・2023年07月08日
2023.7.10

例年なら、梅雨の最中に有るはずの大野山のアジサイ祭り、鹿の食害と人災(内容については不詳)により開催はないとの事。状況の検分に出かけたもののことのほか暗い。谷川に沿う道を登ったところで雨が来た。渡りに船、こんなに暗いジメジメのお山では無理もない。いそいそと取って返して次の目標は大船山、近くて幾分は明るかった記憶が在る。前回は、大雨の十倉から傘頼みで登った。地理院地図では波豆川の上流から点線が伸びる。少し南に移動しただけで雨はない。雨はないが髪の毛がチリチリになりそうな湿度である。

標識の前の道を詰めると集落を抜け橋を渡り、やっぱり暗い谷道が続いている。近頃はあるかれていないのか、酷く荒れた、道脇に大きめの灯篭がひっそりと建つ寂しい道だ。鹿の悲鳴で心臓が飛び出た。風の無い高温多湿の谷底で汗と同時に冷汗が出た。斜度が出てきた山腹の暗がりは広い平地。伽藍の跡のようで石垣だけは残っている。水貯まりの中に立つ看板によれば大舟寺らしい。裏の尾根まで歩くと十倉道の出合いに出た。丸太を立てた椅子が数脚、しかし苔が生じて座ると尻が青くなる。空からは雨粒と雫が落ちて、一本付けはしたが湿った味。でも明るさは有難い。

ここからは結構厳しい斜度がある。トラロープの誘導があるので外すことはまずあるまい。暫くあるくと祠の立つ大船山ピーク。帽子をとると汗がボロボロ落ちる、いや〜暑かった。乾くどころかいよいよ濡れる風の中、朦朧とした景色を暫く拝み、さて帰ろう。濡れた石の道にはトラロープは有難い。雲が薄くなったか林の中が多少明るい。谷川におりて顔を洗うと思いの他冷たい。狭い谷底から出て、伸びやかな集落を見渡すとあぜ道にはヤブカンゾウ。梅雨の合間の草刈りの音が響く。


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