■ 京丹波・長老ケ岳
・・・・2023年06月24日
2023.6.25

久しぶりに大峰を歩く予定で起きたものの、早朝の空は不穏そのもの。快方に向かうであろう事は間違いなさそうだが、気温の上昇に伴う局地的な崩れは懸念材料。大峰の雨は恐ろしい。二番目の候補は京丹波の長老ヶ岳、少々の天候の崩れはナツツバキの花見の小道具と考えても良い。

仏主の駐車地は貯木場で車を止めるスペースはごく僅か、他に車は無く今日はお休みの様子だから、ごく僅かな場所に止めさせて貰った。用意の間に来られた後続は、橋を渡って浄水施設の前に止めたらしい。歩き出したばかりの道わきに咲くヤマアジサイは濃くて鮮やか、周辺の草木も賑やかである。鹿の個体数が減り、草花は回復傾向にあるのかな、と思わせはしたが早計であった。

キャンプ場跡地に続く道周辺の林床に草花はほぼ無い。木材の集積作業のお蔭で辛うじて残っただけの事だ。林床に草花が無いので虫は少ない。虫は少ないが見るものも無く、集落を見下す位置まで歩いて一休み。目の前の尾根で一際高いのがシデ山で、右手の高みは中津灰、この辺りもだいぶん歩いて同定くらいは出来るようになった。と、胸を張って云いたいところだが体がだるい。筋力が〜と云いながらも管理棟跡地に着いて暫くは風に吹かれて小休止。これでは筋力も回復せんな。先に行かれたお若い衆は何れもトレラン風である。

しかしトレランは味気無い。風情に欠けるし色気も無い。傍のヤマボウシはものすごい数の花を着ける。多いなる無駄には色気がある。花見などはこれに感化された人族のイベントだ。無駄の無い山歩きはそもそもあり得ない。しかし花見だけでは別山は遠いしアルプスも遠い。十分休んだから続きを始めよう。

重機による道の造成は今も続く。何処まで続くのか、今度歩いてみよう。道と別れた登山道は裏の尾根に向かって続いている。吹き飛んだ東屋まで登ると涼風が抜ける。湿度の高い今日などはまことに良い気持ちだ。次の東屋は成長した樹木に覆われ、秋にはやはりスズメバチの巣を宿す事になるらしい。この先は樹木の成長著しく、ほっておくと登山道は消失する。昨年は枝払いに汗をかかせて貰った。まだ新しい小枝の散乱をみると、先週あたりに枝払いがあったらしい。

足元の白い花に上を仰ぐと、葉の上にゲンコツを載せたナツツバキ。この花は空からの来訪者にのみ関心があり、林床から見る事は殆ど無い。沙羅双樹などと呼ぶところをみると落花を楽しむ花である。上乙見ルートを別ける辺りは森が広がる。樹木は高く谷も深い。ここでは熊の痕跡を度々目にする。谷の深いところで棲息しているのかな。人との軋轢は聞いた事が無い。

西の主尾根に乗ると平坦なルートだ。樹木に掛けられた木の名称プレートが数カ所、カタカナで記された名称は一文字違えて書いてある。遊び心の分かるお方の手によるものだ。大分汗を出したお蔭で体が軽くなった。軽くなった体で、観測所までの若干キツイ登りルートを辿り、広いヘリポートでエネルギー補給。残念な事に、ここも北米原産のアザミが地を覆う。凶悪な姿に似合わず花は綺麗だ。下手に触れると硬いトゲで痛い思いをするアザミで、この辺りの山中の日の当たる場所はほぼこいつの縄張りだ。

最後はお気に入りの林道で周回する。少なくはなったが、今年のヤマアジサイの色は濃い。岩場に咲くヤマツツジは、地味のようでいて賑やかな色彩の花を着ける。今日の発見である。


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