■ 加東市・三草山
・・・・2023年04月16日
2023.4.16

雨は漸く上がったが、あれだけ降ればお山は当然泥濘だらけ、といってお休みをしては1週間の老廃物が残る。水はけの良い山で思い出すのは加東市の大坂山界隈、剥き出しの岩盤はバリカン剥げを作るほどだから文句は無し。が、周囲の池をはじめ数曽寺谷も流れ込む雨水で歩けたものでは無かろう。国道を挟んだ三草山ならそういう心配が無い。のみならず、三草山にはウバメガシに加えてツツジ科の樹木が多く、やや雲の多いこんな日も、花の様な新緑の中は明るいに違い無い。出来ればお日様も欲しいな。

8時頃に着いた駐車地は凡そ半分が埋まっている。ミツバツツジの咲く水浸しの登山道を歩くとアケビの花が満開だ。産毛に覆われ濡そぼつ花は見た様に思われるが何であったか?。岩尾根に差し掛かり、確りした花の続く様子で思い出した、アオダモだ。熊が好きだというアオダモの実は、ここでは誰が食べるのだろう。山ツツジの真っ赤な蕾が用意の整った事を知らせている。ミツバツツジの後は山ツツジが登山道を飾る。暫くは花の絶えない山域だ。

良く無い予報に反して陽射しが強い。陽射しの中は酷く熱くて発汗を促す。望むところ。振り返ると萌いずるお山の先に、昨日来の雨を集めた昭和池が青い。春霞に溶け込む様に続く盛り上がりは武蔵野を連想させる。小山と林の続く様子は西の武蔵野と言っても遜色無い。ご本家武蔵野は今、復興の最中らしい。樹木の根本を見るとコウヤボウキが葉を広げたばかり。

北を向くと形の良い山脈が聳え、峻険な前衛を持つ大坂山は秀逸である。やや長めの鞍部を隔てた最高峰へは是非行かねばならん。山標とルートの整備は確認済だ。いや、ルート整備は未確認かも・・。1番北東の奥に聳えるお山は先週歩いた西光寺山。せめてあと500m高さが欲しいな〜。溢れる汗をものともせず、ピークのフラッグが近くなると下山の方と擦れ違う。単独の方に女性が多い。今の世相を克く現す光景だ。

ピークまで持たせはしたが、こんな歩きでキツイ斜面に耐えられるものか。山頂は大賑わいであった。小さな祠に手をあわせる女性のパーティー、犬連れの方々にカップルが3組、ソロが3人ばかり。フラッグツリーの下で休息を入れ、南に降ると人気が無い。併せて陽射しも減った。怪しい空模様だが昼までは持って欲しい。いつもの様に、八大龍王、今日はもう雨止めませんか。お呪いのお陰かどうか、この先周回を終えるまで天気は良かった。

尾根歩きの後、前回は池に降り水辺を散策した。今日は天狗岩と云う、天に突き上げる巨岩を見ようと近頃整備されたらしいルートを辿る。直ぐ先を歩くソロの男性に着いて行くと、斜面の灌木から頭を付き出す可愛らしい岩を見た。え〜あれが天狗岩、子天狗の間違いか?。踵を返して登山口へのルートを降る。(写真を見ると聳えると云うより山腹を覆う大岩ですか)

登山口は遠かった。池に降れば数百メートルで済む距離を、1〜2キロも歩いてやはり池に戻る。お陰で静かな木陰でお昼を食べ、腹ごなしに程よい距離を歩いて周回出来た。三草山は歩いて楽しいお山である。昭和池の松の木陰も捨て難い。


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