■ 丹波・西光寺山
・・・・2023年04月08日
2023.4.9

嵐は東へ移動したものの、残した寒気の中の葉桜は見栄えが悪い。あけぼのの空は黒雲に覆われ、時には雨粒が落ちてくる寒い朝だ。墓地の駐車地に車を停めると水の音で満ちている。溜池の越流が流れる小川のあることを始めて知った。歩き出した道の横ではタンポポが咲きショウジョウバカマが咲き、ショウジョウバカマは近頃珍しい。存在感を誇示する流れの元を眺めると、2羽のマガモが悠々とお散歩中である。この池の水には水草が無い。北へ帰る彼らの朝食は残念ながら無いのだ。

轍は無いのに軽トラのおじさんが作業中である。跋扈する池周辺樹木の伐採作業、数年前から続く光景だがかなり前進している。雨があがって登山日和だと仰ったが、上空には黒雲が広がる不穏な天候、雨だってパラパラ落ちてくる。サギソウ自生地の看板の前を抜けると関電巡視路が延びる。以前、巡視路経由で東尾根を歩いたレポを見た記憶がある。雨上りの未踏の尾根が招いている。

ミツバツツジの咲く明るい巡視路を歩き先ずは鉄塔まで。稼いだ高度のお陰で周辺の展望は良くなった。が、光が無い。気温は8℃で時に吹く強い風は冷たい。西の高みに次の鉄塔が見えた。あそこまでは快適な路が保証された。辺りに背の高いシダが出てきた。巡視路が無ければ酷い藪漕ぎのルートである。思い出した様に雨が降る。バラバラと音を立てるところをみるとアラレかな。

2つ目の鉄塔から一旦降り、北に延びる巡視路と別れて藪の少ない事を祈りながらウバメガシの林に突入。林の中は、人の肩幅ほどの間隔があり、歩き易くて助かった。標高400mを越えた斜面で古墳らしきものを発見した。両脇の岩の上に大きな岩が乗り、下に人が入るくらいの空間がある。盗掘された古墳に酷似している。集落を見下ろす位置にあるから古墳であっても不思議ではない。中には砕けた岩が見え、石棺の様なものは見ていない。ヘビでも出たら怖いので入らない。何れにしても興味深い構造物である。

調査が済んで再び斜面を登る。あっけ無く着いたと思ったらピークへ続く尾根の東端であった。しかし尾根には踏み跡らしきものが残っていて、北の斜面に山桜の見える快適なルートだ。最後に厳しい斜面をヒーヒー登って登山道に出合い、直ぐに無人のピークに到着。名前のとおり、陽射しの漏れる西光寺山ピークで界隈の山々を眺め、が風は冷たく気温は4℃。直後に到着されたシャツ1枚の男性は東屋に腰掛け1枚羽織る。

冷える山頂に長居は無用、下山は早い登山道を辿り、直後にやはり雨がきた。風下にあたる陽射しの中で、登った東尾根を見ながらエネルギー補給、終わる頃にはやはり雨、下界まで降りると天候も安定し、芽を伸ばし始めた林の中は温かい。2羽のカモの姿は既に無く、伐採作業は午後は休みだ。


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