■ 播磨・千ヶ峰〜岩座神
・・・・2023年03月11日
2023.3.12

R175の先に目的地が2つ、残したバリカンハゲと湖畔の散策、ちょっと厳しい千ヶ峰の2つだ。温かい春の1日に相応しいお山はどっちだ〜と悩む間に分れ道が迫り、遠のいて行く加東アルプス。ジオラマで体力作りを疎かにしてはこの先の予定が心許ない。やむ終えない選択である。気温7度の陽射しの中の三谷渓谷登山口、溢れる車は恐らく地元車両だと思う。最後の方が車を後にしたところであった。

上り始めの渓谷は雄滝・雌滝の続くまずまずの景勝地だ。右岸から木の細い橋を渡って急傾斜の左岸に続くルートはなかなか応える。見上げたルートの何処にも人影が無い。健脚の皆様が多いのもこのルートの特徴だと云える。それと云うのも、年間100回登頂を果たされた猛烈なおば様の存在がある。ピンクの好きなおば様であった事と歯を食いしばって歩く厳しいお顔を覚えている。

忍耐は好むところでは無い。が、渓谷を超えると未だ植物に葉は無く、景色は黄砂の彼方とあっては黙々と登る他無い。岩座神(いざりがみ)コース出合いまで続く不毛な崖登りはまったく面白みに欠ける。面白くは無いが、文句の1つも云わずに登る(確認は出来て無い)皆様の後ろ姿を励みに登るのだ。岩座神などと云い、巨人の神様ならば楽なコースだろうか。

ここまで登ると多少傾斜も緩くなり、陽射しを避けた樹林の踏み跡はまずまず楽になる。この冬始めて零すほどの汗は身体には良い事に違い無い。なにしろ暑い。降って来られる親子連れの上の空で妙なノイズが起きた。蚊の羽音を太くした様な音である。音のする方向を見上げると高速移動中の未確認飛行物体。UFOの出現を確認すべく山頂に登るとリモコン片手にドローンを操る少年だ。UFO目撃の手柄話はあえなく終わり。山頂に吹く黄砂混じりの風は気持ち良い。北のカヤトの中には雪が残る。

岩の上でザックを下ろして一服しよう。見渡せば、北の尾根コースに見える東屋は魅力的だ。行ってみれば、思いもかけない出会いがあるやもしれず、行ってはみたいが登り返しは面白く無い。地図を見ても他のルートはほぼ不可能。時間はあるし、ピストン以外のルートとなると1度だけ歩いた七不思議コースが残る。七不思議コースは斜度の厳しい荒れた谷を降るコースだが、それも良いか。千ヶ峰ー笠形山縦走コースを降ると細身で小さなザックを担いだお兄さんが登って来た。歩く人もあるらしい。

瘤を2つ3つ超えると消え掛かる文字で案内があった。馬酔木の多い急な斜面を降ると気持ちの良い林に出る。これが続くようだと良いコースだが、お助けロープが出て来ると真っ直ぐに降る急斜面になる。例えるならばケーブルカーコース、手入れのお陰で幅も広く降り辛い。前回、ルートを見失った岩場は手入れのお陰で直ぐ下に続く踏み跡が見えた。ここにもお助けロープが欲しいところ。

ここから下は急斜面の谷を降る。岩座神のもとだと云う屹立する巨石はやはり凄い見もの。だがこう植林の杉が多くては苦労して見に来る甲斐が無い。案内の看板はほぼ用無しだ。谷を降ると巨大な砂防ダムが出来ていた。綺麗な段々畑の石積みを見ながら辿る三谷渓谷までの道は黄色いミツマタの花の道であった。


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