■ 加東市・大坂山-完結編
・・・・2023年02月25日
2023.2.26

今回で大坂山シリーズは終わりにしようと考えていたが、それにしても天候が今ひとつ。曇に覆われた空に雨粒さえ混じり、駐車地の傍で咲き始めた梅の花も冴えない様子。ダニの着くルートは前回体験した。今日はちょっと長めのアプローチを辿り、宅地の中の急坂の道を登ると犬と散歩中のおば様が声をかける。「この先の登山口は廃止ですよ。下の、鎖で閉鎖された道の横が登山口です」、にこやかなお顔で厳しい事を仰る。住民の少ない古い宅地に住む方々からすると得体の知れないハイカーの徘徊(?)は不用心である。あと少しで登山口と云うところでやり直し。

笹の葉の残る正規登山道を辿り200mに満たない岩尾根に上り詰め、冷たい強風の中でジオラマを見て後悔した。しまった、池の畔を歩いて西の尾根から登るべきであった。未踏のバリカンハゲの尾根を残して完結して良いものか。240ピークに差し掛かり陽射しは漏れるは風は無いわで温かい。北側斜面は真冬である。298を越え299を越え、帰れるキレットを越えてやや長めの尾根歩き、大坂山が見えたところで谷間に響くバイクのエンジン音。谷間に籠もる低音は鉄塔に掛かる電線の音だ。

鉄塔の下は強風で寒い。峠に降るとバイクが4台、良いお歳の方々で中には頭の寂しい方も混じる。寧ろ足を鍛えた方が今後の人生に有益な方々である。峠から幾分薄くなった踏み跡を辿る。生い茂るシダの中を歩くとプチ岩場が続く。450mの大坂山が聳える様に見えるのは流石に良く出来たジオラマだ。ウバメガシや灌木の間を縫って登る斜面はけっこう厳しい。

ヒーヒー云いながら上り詰めた大坂山ピーク、切払われて、寧ろあっさりし過ぎて物足りない。富士山の絵馬は何の趣向だろう。寒いので直ぐに前衛の400ピークへ下降、踏み跡は案外に良い。400のピークを通って中尾根ルート出合いは風も無く陽射しもあって温かく、展望にも優れたお昼ごはんに最適なピークだ。夏場などは温まった岩に苦しめられる事になるだろうが今は有難い。

腰を上げる頃には16℃、風花の舞う中尾根では3℃、北部の空は雪で霞んでいる。中年ライダーの去った谷は静かだ。考えると彼らも仮面ライダーの世代である。藤岡弘は中年を過ぎた変身の不可能である事も伝えるべきであった。駐車地の梅の花には未だ東風(こち)は無い、が少しだけ臭って来るような風の冷たい日であった。


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