■ 加東市・大坂山界隈その3
・・・・2023年02月19日
2023.2.19

午後からは雨で明日も雨、天気図からみてほぼ間違い無い。6時で既に小雨模様、久しぶりに、八大龍王雨止め給えのお祈りをして、さて、小雨くらいでも歩けるお山は?、と考えるまでもなく、未だにピークを踏んで無い大坂山。謂わばこんな場合に備えて残しておいたとも云える。高速を降り一般道への出口を間違へたのが幸いして、想定より早く着いてしまった。こうなると人間欲が出る。三草山駐車場より楽な公民館の先の私有地手前の膨らみに車を止めた。考えてみれば、こんな小雨の中で山歩きをする様な人も少なかろう。寧ろ変人に見られる恐れもなくは無い。

今日は皆様の山歩きを参考に、数曽寺谷西の尾根から峠に降り、大坂山ピークを踏んで谷へ降りる周回コース。住宅の上へと延びる道を辿ると目指す緑の屋根が見える。しかし曲がりくねった道を一旦降って登り返した先と云う煩わしさ。目の前の谷に続く道を辿れば手っ取り早い。緑の屋根に続く尾根を目指すと道が切れた。ちょっと急な籔の斜面を汗して登ると緑の屋根は左手下。小雨模様の暗い空から西に目を転じると、あ〜まるでジオラマ。

形の良い岩尾根の間にカール状の谷が降り、降った先に青い水を湛えた湖がある。中でも岩尾根の存在感が素晴らしい。ジッと見ていると何かに似ている。ずっと昔に見たバリカンの跡だ。切れないバリカンで頭を刈るとあの様なバリカンハゲが出来る。あれは痛い。それは置いといて、これは実に良く出来たジオラマである。標高は200に足りない。ひと通りジオラマを楽しんで、踏み跡の残る辺りを見ると鹿が多い。えっと気付いてズボンを見ると、蠢くマダニが6匹。登って来た籔は獣道だった。光の足りない小雨の岩尾根を抜け聳えるピークに到達すると298の山標がある。スーパーの値札のような山標だ。

人気の無い山域だと思っていたが踏み跡は明瞭で、近頃整備したらしい痕跡が残っている。お陰でこの先でマダニを見たのは2匹だけ。ピークからの降りも、急勾配だが標高が無いのであっけなく終わり。谷を隔てた北の空に大坂山の鋭峰が聳え、前衛の岩尾根が鮮やかに見えて来る、予定であったが更に暗くなったお陰で目を凝らしてやっとだ。空気も幾分冷えてきて、辺りの景色は霞んでいる。ここからは岩尾根らしい場所も少なく、ただ1箇所、不帰のキレットならぬ帰れるキレットが待ち構えていた。高さも2mに満たず、ロープも設置された安全なキレットだ。ジオラマだからこの程度で良い。関電鉄塔を過ぎると峠まで降るだけ。流石に巡視道は克く整備されて歩き易い。

降った峠に今日のバイクのタイヤ痕が残り、本格的な雨を前に大坂山はお預けになった。再びバイクの跡が証人だ。雨粒の音がパラパラ響く数曽寺谷の流れはほぼ土の下、流れ降った池の水は随分少ない。水の上にはマガモがたった一羽、僅かに近付いただけで遠くに去って行く、寂しい光景だ。ではあったが、人っ子一人いない道の先に車が見えている。やはり帰りがスムーズだと有難い。


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