■ 加東市・三草山
・・・・2023年01月21日
2023.1.22

あんなに賑わっていた三草山駐車場も雪の舞う今日は流石に空きが目立つ。着いたばかりで戻る方々もおられるところを見ると日課として登るくらいのお山だと言う事だ。課題を残す大坂山をおいて、今三草山を歩くのは些か不当の様だが搦手から攻めると云う事もある。駐車場だけを借りてご本尊を拝みに行かないのも些か気がひける。

お山の左側に道が続く。直ぐ上の子山に続く踏み跡を辿る事も可能だが今日はメインルートで周回する。廃墟の様な平坦地を過ぎると先の子山との鞍部に出た。右下に昭和池を左手に大坂山を望みながら辿るコースはなかなか展望に優れたコースだ。それと云うのもお山の形が良い。10倍技術をもって眺めれば、目の前の何でもない岩場は立ちはだかる岩尾根の難所だ。溢れる汗がやや少ないのは今日の天候の故である。金属のポールと鎖は不要かな。

先ずは前衛のピークに辿り着き、振り返って見る景色は素晴らしい。時に降りしきる雪のお陰で霞むところが尚のこと良い。スマホのカメラに10倍技術が未だ備わっていないのが惜しまれる。尾根の樹木はやはり海岸に多いウバメガシとトベラ、これにブナ科の植物が混じり、地には羽毛を着けたコウヤボウキ。ウバメガシの根本にフラスを溜めたものが一本、ナラ枯れはいつ終熄するのだろう。

駐車場の直ぐ上に昭和池の堰堤があった。見下ろす谷間から続く湖面を合わせると相当な規模である。国道の北に続く嘗ての往来に「右 昭和池」と彫られた石柱があった。そんな景色を見ながらそろそろピークが近付いて来る。最後に、「気になる木」の立つ三草山ピーク手前に小ピークを配して奥深さを演出しているのも流石にミニチュアアルプスだ。

ピークは案外に広く、フラッグである「気になる木」はウバメガシ。横に、設置の椅子でお茶を飲む高齢男性、追い越して行ったお二人の姿は無い。小さな祠は何をお祀りしてあるのか。案内板によると、源平合戦時のお城であったとか、恐らくは物見台くらいが妥当なところだ。攻める源氏に守る城は不要である。

登りルートの降りは素晴らしい景色と聞く。全容を知りたいので迷わず周回ルートへ進む。工事中らしい警告はあったが踏み跡は途切れていない。降りの興味は池の湖畔を少々辿ること。標高を下げると目の前に子山が盛り上がり、10倍技術によって1の峰・2の峰と続く尾根だがいつの間に越えてしまうところで技術の未熟さを痛感した。

最後に湖畔ルートに降り、湖畔の広い干潟に降りてお山を望む。ちょっと低い、が小さな谷川の他流入する川はなく水は澄み、ということはお魚は不在で水草も見えず、冷たい風の吹く湖岸に羽根を休める鵜がただ1羽。寂しい光景だ。であるから釣り師も当然いなかった。池の歴史を語る管理棟前の石碑に、何やら難しい文字が彫られていた。周辺の水飢饉を救うべく、昭和の初めに作られた池だと云う。駐車場に戻ると満車状態、やはり三草山の人気は凄い。


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