■ 加東市・大坂山界隈
・・・・2023年01月03日
2023.1.5

数曽寺谷という読むさえ難しい谷の先に目指す大坂山がある。500mに満たない低い山だがなかなか面白そうなお山らしい。シダ類からなる藪の中にはダニもいたというから出来れば藪のないところで満足だ。

小山の連なる尾根筋から流れ落ちる岩の溝は国道を通過する度に目にしていた。数曽寺谷は、寺の所在は不明だが、文字通り、あまたの溝(層)の続く辺りの寺のある谷が由来だと思われる。

橋を渡って人口らしい池の畔に進むとここから先は立ち入りの制限された市道らしい雰囲気だ。広い路肩に車を止め、干上がりそうな白い水の上を覗くとカモなどが浮かぶ。反対側の林の中にも瀟洒な家の見える別荘地である。

小さな谷川の流れ込む北側の一角の道を進むと水の無い谷川に出る。あとは付かず離れず、谷川と一体となった峠道をひたすら歩く。陽光の届かない谷の中は霜の降りた冷蔵庫だ。葉叢などのほぼ落ちてしまった藪山は明るい。

小一時間も歩くと数曽寺峠に出た。踏跡の続くシダの中を少し上ると露岩の上に陽射しがある。踏跡の先は溶けた霜に濡れた藪がちょっと濃い。藪は歩きたくないので、少し下って、鉄塔に続く巡視道を辿ると陽射しも出てきて良い雰囲気。

辺りの藪にウバメガシが多い、という事は、やはりこの辺も古い時代の海岸だ。振り返る谷間の光景はなかなか素晴らしい。鉄塔から先は、ちょっと見たところはなかなか厳しい岩尾根のようで、ところが殆ど苦労するところは無い。

高度感だけは味わいながらも優しい尾根歩きと云う優れものの山岳である。滑落防止柵や鎖場なども設置され、気分だけは一流の岩場歩きが楽しめる。400mピークまで尾根に沿って歩くと、北に続く踏跡と南へ降る踏跡がある。

北への踏跡が大坂山に続くてあろう事は間違いない、がちょっと藪っぽい。ここで藪に入るなら峠から入るべきであった。峠を避けたようにここでも目の前の藪は忌避して然るべきである。周回で十分ではないか。

右手に谷を挟んで登ってきた岩尾根を眺めるコースは悪くない。東の山並みの中に見えるのは、聞くだけで見たことのない清水寺であろう。正面に国道を挟んで、何やら構造物の建つピークは三草山だと思われる。

すんなり下山では勿体ないので、鉄塔の下で辺りを見回しながら大休止。透ける谷道に人影はない。




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