■ 多紀アルプス・堂ヶ峰〜御在所山
・・・・2022年12月10日
2022.12.11

先週に続いて、多紀アルプスの未踏破エリアである東鏡峠から鋸山までの稜線歩きに出掛ける。先週と同じく、辺り一帯には濃霧注意報が発令中、霜の降りた寒々しい光景の中、篠山市高坂地区の農道の路肩に車を止めた。幸いな事に、1つ南側に位置する三岳を越えた陽射しの中で風もなく大変に温かい。目指す尾根は目の前に聳え、路傍には霜の着いたタンポポの花などは未だ残っている。冬の光景としては違和感さえ覚える様子だが現実である。こうした生物多様性の促進に繋がる側面も温暖化の一面だ。

農地の端に建てられた住宅の陽光に溢れた様は羨ましくもある。が、夏場を想像すると耐えられそうにない。中庸の精神がやはり一番だろう。朝の散歩に勤しむ皆様の姿を見送りながら集落を抜け、谷筋に続く細い道を辿れば春日に至る峠道だ。お決まりの植林地に入ると陽射しも無く荒れた古道が続いている。汗ばんできた頃に前方で犬の鳴き声が起こる。今は狩猟時期だが、それらしい車両は見ていない。大丈夫かな〜と前方を伺いながら足を進めると左の尾根に動物の影が動いた。少なくとも2匹以上の犬。野良犬の話しは今どきどうだろう?、猟の真っ只中へ入って行く勇気は無いのだ。ここは君子の行動規範を適用して撤退が妥当であるか。トホホ〜

では次の一手はどうしよう?、先ずは車まで戻って、次の集落から東鏡峠の更に東の堂ヶ峰〜御在所山まで行けば、今日の目標に近い成果となるではないか。温かい陽射しの中の散歩は苦痛では無い。堂ヶ峰を見上げる位置の集落から、畦道伝いに家の庭を抜けると作業中のご主人が慌てて戻って何かご用ですか?。暫く話すとこの先へは数年来立ち入って無いとの事、また今日は狩猟は無いとの確証を得た。

嘗ての耕作地を抜けたところに9月頃に咲くアケボノソウが霜を纏って咲いていた。奇態か生物多様性か。この上から斜度の厳しい尾根が始まる。踏み跡らしき痕跡も無いではないが、多くは獣道で間違い無い。何が悲しくてこんなルートを辿る人があるだろう?、しかしその仲間である。岩稜が現れると巻き道を探して、次第に斜度は増すばかり。灌木に縋って、漸く辿り着いた尾根は樹林に覆われた展望の無い狭い尾根。唯一あった陽射しの中の岩に腰掛けエネルギー補給、気温は10度に満たない。

食後は栗柄峠に向かって下降、下降したところに聳える円錐形の山が御在所山だ。鈴鹿で無くてもおらが在所に聳える山は御在所山で問題は無し。降りルートもかなり斜度がある。少し落ち着く辺りは綺麗な樹林で、既に落葉した後ではあるが紅葉の期待できる綺麗な所だ。御在所山の肩の辺りも落ち着いた潤いのある森である。御在所山のピークに辿り着き、さて栗柄峠に降りると交通量の多い路肩の無い道は恐ろしい。少し登り返すと福徳貴寺と云う、誠に贅沢の極みの様な名前の寺院へのコース案内があった。落葉の上を探ると踏み跡らしい痕跡を辿れなくもない。

地図に記録の無いルートを辿るとテープは確りあって有難い。順調にトラバースしながら高度を下げ、着いた福徳貴寺は相当の星霜を経た寺と神社で、どう見ても富貴な様子では無い。怖い道路に降る途中に建つ真新しい福徳貴寺(読み方も分からん)は確かに富貴かもしれん。ロードノイズの酷く煩い歩道の無いルートを歩いて、残した多紀アルプスの半分?、を完了した。


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