■ 鈴鹿・仙ヶ岳
・・・・2022年11月26日
2022.11.27

西側からの仙ヶ岳は茶畑を巡り長〜い林道を歩かないと登山口が無い。石谷川に架かる砂防ダムまで車は入る。がタイヤのバーストと云うリスクを犯し、加えて茶畑作業の邪魔にもなる。思案した結果、高速の巨大高架橋の下に車を止め、公共交通で訪れる方々と同じ距離を歩く事にした。砂防ダムからの道程を考えるとそれ程も変わらない。

仙ヶ岳から御所平辺りは完全にガスの中、雨は降りませんように、と神々に祈りながらもカッパ・傘はザックの中、頼まれた神さんは良い顔はしない。綺麗な茶畑を抜けちょっと暗い林道を歩き、砂防ダムまで歩くと2台の車が先行している。辺りの空気に焚火の匂いがする。こんな朝から焚火とは、さては河原で野営組か、と覗き込んだ広い河原に人は無し、炊煙の立ち上る時代でもあるまいから気のせいか。目の前に聳える鬼ヶ牙に天狗が見えるようだと救急車の必要がある。

多いに荒れた林道ではあったが補修の跡は更々無い。石谷川の川面を離れる事5〜60mばかりの晩秋の眺めはまずまずである。梅雨の頃から晩秋まで、ずっと守られているのだから踏み跡なども少ない。立入れば献血を迫る山ビル様の領域だ。が近頃は巨大高速のせいか山ビル様の減少が噂される。噂の真偽はともかく、営林小屋跡に着いて一応はチェック、今朝は未だエネルギー補給が無いので血は不味い。

南尾根の登攀に備えてバンを齧る。回復傾向にあるのか空が明るくなった。谷川に沿う南尾根ルートに今日の足跡を発見、後ろ姿などは無い。皆さんエライところを歩くのね、と踏み跡を探すと近頃歩かれた様子が無い。暫く登ったところで沢に続く踏み跡を見つけた。尾根の手前からはムチが入る。記憶のルートは崩壊した岩で埋まり、あっちへウロウロこっちへウロウロ、最後はほぼ直登で尾根に乗った。あ〜シンド。

尾根に乗っても下界の展望は無し、ロープに縋って5mほどを登ると林床に続く踏み跡らしきものを発見、インチキする訳では無しエエやんか!、とこれを辿ると尾根までの急斜面、当然踏み跡は無しああ無情。脇道などは信用すべからず。尾根まで四つん這いで登って大汗になった。突端の岩場まで戻って一本つける。今日は湿度の高い暑い日だ。雲の上に頭を出すのは経ヶ岳かな、エラく尖った三角形の山だ。

さてと、気合を入れなおして、次々に現れる岩尾根を一気にクリヤーではなかったが、倒れそうで倒れない仙ノ岩に着いて今日2回目のエネルギー補給、アンパンとコヒーだ。下界は雲の下だが周辺のお山はよく見える。向かいのピークにテント張るのはお若い男性らしいがそうだろうか。アンパンを齧っているところへ今どき目面しい長髪の男性(こうゆう奴は何故だか好感が持てる)太めの枯枝を握って南尾根を降って行く。そろそろ降ろうか、と腰を挙げたところへ戻って来て、枝が折れました、と代わりの枯枝探して辺りをウロウロ、面白い奴。

降りは落葉で埋まる白谷を辿る。荒れた谷を覆う落葉は曲者だった。長髪の兄ちゃんが枯枝を欲した理由はこれだろう。落葉の下は大岩小岩で実に危ない。左右の岸と露出した岩の上だけが安心出来る。またもや大汗かいて降る事1時間、そろそろ終わり地点と思っているところへ「御所谷」の古いプレートだ。地図を見ると約2/3を降った地点。ここからは左右の岸の途もどうにか辿れる。大きなザック担いだお若い女性が登って来た。お山の上のテント組に違い無い。

最後に、なんちゃって下の廊下を辿り、崩落場所では梯子を使って川底までの往復、ここで先行者2人を捉えてそのまま林道。薄日の射す林道はやっぱり長かった。


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