■ 伊吹山地・夜叉ヶ妹池
・・・・2022年11月19日
2022.11.20

課題を調べてみると結構多い。夜叉ヶ妹池もその一つで、昨年の11月20日に撤退している。近辺では、虎子山も敗退に終わり、出来ればこのへんで1つだけでも片付けて置きたい。ではあるが、厳しい藪と転げ落ちそうな斜面は出来れば避けたいし、鳥越林道からでは魅力が半減する。どうしても、落葉樹の多い姉川ダムの側から歩きたい。で調べたところがちょうど良いコースが見つかった。皆さんは克く調べている。

姉川ダムを過ぎたところにある親水公園に駐車、目指す池は目の前の黄葉に染まる山並の上にある。それにしても、途中で出逢ったトラックは多かった。今もまた大きく綺麗なトラックが数台、スキー場目指して登って行く。シーズンを前にした施設の保全に新品のトラックがいるものだろうか?。先行車が2台、うち1台は既にお山で間違い無い。

橋を渡り植林の中を登るのは前回と同様だが、新ルートは右の谷川を超え、川に落ち込む尾根突端を登るところから始まる。しかしこの急斜面をただ登るのは疲れる。見れば灌木も少なく手掛かりが少ない。川に面した多少緩い斜面にはアセビが生え、少々五月蝿そうだがどうにか登れそうな角度。川側に滑ると流れの中まで一直線だ。歩き出して5分の後にこの斜面は厳しい。踏み跡などもほぼ痕跡無し、先行される方は何処へ行った?。

ヒイヒイ云いながらも何とか最初の厳しい斜面をクリヤー、登るに伴い斜度は緩み、伊吹山地を越えた陽射しで尾根芯の紅葉が綺麗だ。植林が切れ、眼下に甲津原の集落を見る様になると谷間に響く車のエンジン音。路上を見ると大型トラックの車列に加え後ろに乗用車が続く。何じゃ?、と電波の届く有り難さ、調べてみたところがスキー場は今日明日2日のトラックの展示会らしい。それにしても静かな山域にとんでもない騒音だ。

目指す高みまで続く灌木の尾根、雪の重みで下側に倒れた木が多い中、歩ける程度に切払われたルートは有難い。稀に通る人の他、鹿の通り道として有用である。すぐ先で鹿の抗議の声が起こって消えた。今日は青空多めの天候で風も少なく、紅葉を見ながら登る尾根道は快適である。ただこのところのカラカラ天気で秋の恵みが無いのは残念至極。かなり暑いので気温を見ると13℃、晩秋の気温に違いない。

目指すのは夜叉ヶ妹池でお山では無い。が直ぐ傍のお山はカナ山の名がある。金糞岳南尾根に乗った辺りはほぼシロモジの林、迂闊に歩こうにもシロモジが邪魔して大変だ。既に葉を落とした尾根は見通しは良く、お山に敬意を払うべく先ずはカナ山ピークにご挨拶、周辺樹木の切払われた中に山標が2枚架かる小ピークである。他に人の気配は全く無い。次は池を探してシロモジを掻き分け南に降る。シロモジの落葉に埋まる林床に今でも残る道型を発見、鳥越峠を挟む近江と美濃の古道である。

地図ではほんの100mばかり先にあるべき池が見えない。しかしお腹は待ってくれないので、先ずはお腹の要求を先に適えるべく落葉の上で暫し休息、騒音も消え静かな秋日和だ。補給が済み、かなり起伏の多い尾根上を移動した直後、目の前に池があった。目指して2年目のご対面である。やや水は少なく、鹿などの水場である池には、お姉さまである夜叉ヶ池の竜神伝説を思わせる雰囲気は無い。季節と明るさを考慮にしても神秘的なところが不足している。妹とはそうしたものか?。もっとも夜叉ヶ池も雨に煙るところが良かったので、晴れて賑やかな池は行楽地であった。

これで帰ったんでは来た甲斐が無い。湖周道路を通り水鳥の賑やかな辺りの公園で水鳥の観察だ。ところが彼らは近付けば離れ離れると近付いて結局距離は埋まらない。代わりに綺麗な、黄金色に輝く夕焼け雲を見せて貰った。1日の収穫としては充分である。


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