■ 京丹波・中津灰
・・・・2022年10月01日
2022.10.2

洞峠から地蔵杉をへて、周回するコースを歩くべく、仏主の長老登山口に車を止めた。この設定は、以前歩いた経験上、尾根上まで歩けば洞峠は到達範囲であるからで、地蔵杉からの帰還は直ぐ傍まで延びる林道は使える。地蔵杉から林道までの尾根の等高線に混み合うところは無い。

天気は上々、乾いた空気は爽やか水はあくまで澄明、歩き始めて直ぐに出て来るヤマメ茶屋のヤマメも元気だ。氷ノ山坂の谷コース登山口の閉鎖された料理屋の名前もヤマメ茶屋であった。他の共通点は知らないが水は同じく綺麗である。ここから暫く薄暗い谷川に沿った林道を歩く。辺りは須く植林だからなおの事暗い。冬を控えた生き物達、特にクマの出現には注意がいる。オフロードバイクのコースらしいからこれには多いに期待している。はよ通らんかな。

クマの糞らしきものは残っていたが姿を見たのはリスだけだ。林道歩きに飽きて来た頃に流れの中にヤマメを見つけた。暫くヤマメの姿を追い掛けて聊かもない林道歩きの慰めとした。ここらで頭を擡げて来た疑念、今日のコース取りは失敗だ、という確信、周回の後の帰りにも歩きたいコースだろうか?。あ〜と天を仰ぐと直ぐ上にぶら下がるアケビ、またもやアケビの味見などで無聊を慰めつつ、どうやら尾根までは上がって来た。

ところへクマ鈴ならぬオフロードバイクのけたたましい爆音、笛の数十倍の効果は期待出来る。安心したところで洞峠方面との出合いに到着、暗くて長い林道とおさらばするなら諦める他無い。新たな目標は、前回周回時には踏まなかった中津灰を踏み登山道に降りるコース。中津灰などと克く分からん点名の解明に幾らかでも寄与するに違いない。

南側林道の終点まではバイクの脅しが有効である。林道終点でお昼を食べ、向かう樹林の尾根の林床は乾き、下草のひとつも無い味気無い尾根。これを憐れんだのか、近くの林で起こるツクツクボウシの鳴き声、え?、一瞬夏が戻った様に錯覚したが流石にもう秋。出遅れならば度が過ぎて孤独な最後だ。生類相憐れむの念から起こった事なら幾度礼を云っても足りない。

一方では、林のあちこちでヒラヒラ翔ぶのはアサギマダラ。今日は嘗ての夏基準を適用しても良い位に暑い。ツクツクボウシが夏だとしたのもあながち間違いでは無い。にもかかわらず、食料となる草花の少ない大地に群れ飛ぶ蝶。飛ぶ姿を見れば根無し草、適当な時期が来れば徒党を組んで南に移動する。水茶屋で遊ぶ大石内蔵助と同じだ。いざ、出陣。

その様なハプニングなどがありながら中津灰ピーク。以前からの情報と大いに違う印象は否め無い。北の展望はまずまずで、一番奥に双耳峰の青葉山のシルエット。名前の由来に繫がる発見は無し。主尾根を辿り途中から府道終点に降る尾根に乗った。最後はやや等高線が混むものの総じて緩やかな尾根、順調に降り府道終点が見えたところでちょっとウロウロ。予定外ではあったものの、無事に降って近畿自然歩道を4キロ歩いて車に戻った。


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