■ 丹波・小野寺山〜鷹取山
・・・・2022年09月10日
2022.9.11

近頃は黒井城址から五台山まで縦走する人があるようだ。人間離れした行動だがちょっと興味が湧く。北へ走ると雲は垂れ込めお山は霞み、路面は濡れて降ったばかりの場所もある。岩瀧寺の駐車地は乾てはいたが、この先雨が降るのか雷が落ちるのか、神ならぬ者には予見は難しい。槍の降る恐れはあるまいから、歩き辛い荒れた急坂の暗いルートを美和峠まで歩く。

谷から戻られたばかりの男性に、これこれ五台山はこちらなり、と諌められたが奇行に走る歳でも無い。周回ですわ、と応えて通行許可が出た。豪雨に洗われたルートの真ん中は黒土が光る。耳元では猛暑を免れた蚊が、神経を逆撫でするような鋭い羽音で囁く。毛の生え際辺りから一斉に、汗の粒が落ち始めた。木の根を踏むと克く滑る。高い湿度で風が無い。

峠までは2箇所で崩壊があったはずだ。崩壊地を避け尾根ルートに変更されたものだと考えていたがそんな踏み跡が無い。確認に行くと、崩れた小谷の中に踏み跡が続く。ちょっとハードにはなったが峠道は健在であった。美和峠では風があった。麗しい名前に恥じない饗応だ。鷹取山に向って少し歩くと切払われた展望地がある。冷えたお茶を飲み暫時休息、お茶は自前で峠のおもてなしでは無い。

お休みの後は鷹取山への急斜面、辿り着いた氷上槍のピークでまたも休息、展望が好いので止む終えない。見渡せば、5〜600ほどのお山が続く。人の居住地域は山の間に少しだけ。代わりに空は広い。親不知の北にある山波は良い感じ。ここから小野寺山への降りは崖に等しい。反時計回りでは降りだが登りでは大変に辛い区間だ。

崖降りの途中にアケビがあった事を覚えていた。今やアケビは秋の高級食材、じゃなくて果物、でもなく季節を偲ぶ果実かな?、である。覚えていた辺りを探して見たがアケビの蔓が無い、残念だ。降りきると小野寺山まで緩い登り、最後は思いっきり登って小野寺山のピークに至る。単独男性が降って来られた。今日初めてのハイカーである。

小野寺山ピークでエネルギー補給、空は鷹取山より良く無い。五台山から2人の男性ハイカーが到着した。この先に谷川などはありませんよね?、と仰有る。滝上の谷川渡渉で苦労されたらしい。未明には雨もあったようだから増水していたのか。渡渉はありませんが厳しい登りが待ってます、と云うと恐々として藪に消えて行った。

五台山は谷川と杉の林に沿ったルートを歩く。谷川の岩の上を歩くところもあって、濡れた岩は克く滑る。危うく痛い目に会うところであった。新設した堰堤の辺りは登山道は消失している。梯子・鎖場を設置する親切心があるのなら、もう少しやりようがあったろう。片足、膝から下を濡らしてしまった。


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