■ 京丹波・和知〜大栗山
・・・・2022年07月30日
2022.7.31

今日は寝起きで体が怠い。怠い体を引き摺っても、体の全細胞の指揮向上の訓練が必要だ。負荷を掛ければ一部の素行の悪い細胞も所業を改める契機になる。近場で他に涼しそうな山も無く、先週と同じく京丹波は和知富士の山裾に着いた。

高温多湿の中は嫌でも怠い。なるべくは木陰の多いコースを選び、落合から長い尾根に沿って和知富士へ、余勢で巨木の中を長老まで歩く予定で歩き出した。と、そこへ背後から、もしもし、と声を掛ける者がある。振り向くと、目の前の古びた館の守護霊、では無かったものの、その隣から出て来られたらしい老爺のお姿。集落入口に停めた車の背後は休耕田、その休耕田の持ち主で、今日は夏草の休耕田を耕す日とのこと、車の駐車は不都合だと仰有る。

体よく追い払われたものだと理解して、上乙見に車を回して谷ルートを確認、酷い藪の暗い谷を前に敢え無く降参。この上は、上粟野から大栗山へ目標変更、このコースは谷に沿う木陰の道を歩いて樹林の尾根を辿る涼しげなルートだ。正規の駐車地に車を止め、一歩車を出ると火の出る暑さ、谷間に消える道へ急ぐと軽トラが2台、窓を開けるなり「上林峠まで歩かれるんですか?」と笑顔で話掛ける。どこから上林峠がでたものか、上林峠を周回すると距離は半端では無い。適当に応えると次の軽トラが止まって同じように「上林峠までですか?、帰りは地道?」などと仰有るのだ。

上林峠は無理にしても、大栗山の大栗峠は流石に外せない事になってしまった。2台の軽トラは林道に消えて行った。台風のお陰で川風は涼しく、軽トラの轍の残る道をボチボチ歩き。その軽トラ2台も降って来て、すれ違い様「暑い中、お気を付けて」、2年前の墓谷山の記憶が蘇る。軽トラの轍はすぐ先の林道出合いでターンしていた。とするとお二人は、応援団であった事になるのかな?。有難いのか迷惑なのか、複雑だ。

こうなった上は是非も無い、暑かろうが怠かろうが大栗峠までは義務になった。木陰の無い辺りは焼けている。風が無いと蚊がまとわりついて、持主の許可無く手の甲辺りに針を射す。追い払っても耳元あたりをプーンプーンと飛び回る。手に毛でも生じれば防ぐ事も出来ただろう、猿から人への進化の不思議だ。愈々峠に向かってかなり厳しい斜面が始まる。

落葉の埋まる峠道に、タイヤ痕らしき痕跡が続く。上林峠の出処は、トレランの若者だと思っていたがバイクだろうか?。山持に嫌われるバイクがここでは歓迎?、そんな訳はないか。27℃の峠道に、あっちこっちに見られるのが大きなキノコ。タマゴタケくらいだと可愛くもある。ポルチーニ=ヤマドリダケの類は開いた傘は20cm位は充分ある。とても食欲は唆られない。もっとも、本場では開かないものが良いらしい。

愈々峠、大栗山は左側の尾根を標高差40mほど登ったところ。力の入らない怠い体で克くぞここまで来たものだ。上林峠は遥かに遠い。ご期待に沿えず残念ではあるが、今日はここまでで良しとしよう。上空を黒雲が覆う不穏な天候に変わったのだ。帰り道、集落へのゲート手前で戯れる子ギツネがいる。ちょっと離れた陽だまりの土管からもう一匹、よく見ればアナグマの子だ。土管の中は暑かろう。アナグマの巣は本来土の下、如何に便利でも塩ビの土管は如何なものか。


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