■ 京丹波・中津灰
・・・・2022年06月26日
2022.6.26

先週は鉢伏山から大栗山の間を歩いた。全区間踏破したとは云わないが様子は充分分かったので残りは歩かなくても良い。興味深いのは洞峠から中津灰の区間、仏主から上和知川源流部を溯り、洞峠辺りから尾根に沿って歩けば中津灰、上林峠から降れば周回が出来る。が、腰はまだ痛むので無茶はできない。以上の様な周回の真似事が出来ればそれで良いのだ。

仏主バス停の先、長老登山と同じ駐車地に車を止め、キラキラ光る川面を見ながらの林道は暑い。苔の着いた綺麗な流れはそれだけで魅力的だ。出来れば服を脱ぎ捨てて水と戯れるのも一興。ここは久しぶりの「忍」の字で事なきを得、電線の延びる道を歩くと現役らしい建物がある。谷水を引入れた大掛かりなものだが稼働率は半分ほど、まだ綺麗な料亭の前は夏草が伸び始め、一部の水槽は元気なトラウトの泳ぐ養殖池。

水槽には少し先の谷川の水が引かれ、溢れる水は清冽そのもの、冷たくて美味しそうな水であった。そこから半分は杉の林の暗い道、明るさが戻るとホッとする。ヤマビルは、その存在の可能性だけで充分脅威である。遍在性を武器とする潜水艦と同じだ。車止めはあれども右に周り込むと広い河原、人とバイクに障害では無い。バイクが2台、森と静まり返る谷間に頼もしい余韻を残して登って行った。洞峠まで直線で約1キロ、熊の噂の絶え無い秘境である。

北東から北西に向きを変える辺りは尾根に近く、いつの間に綺麗な青空に変わった空に地蔵杉・長老が一際高い。焼けた空気もここまでは届かない。冷ややかな風の中は極楽浄土。尾根芯と交わるところで古屋方面に道を分ける。北東の高みに天狗畑が見えた。う〜ん、良いところ。

バイクが1台、続いて2台、降って行った。このバイクの行動はなんだろう?。地理院地図ではこの林道での周回は不可能、しかし100〜200mほど道無き道を降れば府道に合流出来るはず。地理院地図に最新情報はほぼ無いのだ。上手くすればそんな道が今は有る?、と云う期待も持ってはいる。

尾根の林相は良くなり、ここらでお昼、と物色中にバイクの群れが通過して、今度は戻って来なかった。やはり、抜け道はあった!。お昼を済ませ再び林道をとぼとぼ、あれ?、地図にあるべき道が無い!?、作業道が痕跡さえ残さずに消える事は考え辛い。しかしGPSで確かめた先には尾根が延びる。狐にも狸にも、騙された経験は全く無いのだ。

尾根を北に越えると立派な林道があった。これは期待出来る、何しろ巨大な林道だ、この先できっと上林峠に出合うはず、と信じて30℃を超える暑い林道をひたすら歩き、待てよ?、と気付いたところはシデ山の見える辺りであった。北には広大な谷の景色、戻る道は暑かった。

こうなってはやむを得ない、近畿自然歩道の標識を頼りに、腰を庇いながらも上林峠に這い上がり。厳しい斜度の古い階段道を降ってジメジメの府道で周回を終えた。頑張った褒美としては、峠下に咲くウメガサソウ、そして人生2度目のヨタカとの遭遇。もっとも、近くの樹木に飛び移ったヨタカの姿は遂に認める事ができなかった。中津灰のピークは踏まないものの、ほぼ周回したピークは踏んだ事とする。


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