■ 京丹波・鉢伏山
・・・・2022年06月18日
2022.6.19

下粟野から西に延びる道を走り西河内の広めの路肩に車を止めた。今日の狙いは林道を詰めた丹波高地に連なる小ピーク鉢伏山だ。梅雨の最中の貴重な晴れ間は大切に使いたい。体調が良ければもっと北部の中津灰辺りを歩きたい。が、寝坊の上に今日は腰が痛い、身体の調整をしようとすると腰に来る。調整法は研究するとして、既に歩いた大栗山〜シデ山に続く鉢伏山までの尾根を探索しよう。雨だと言う南部の天気は和知に来て青空に変わりつつある。

狭い田畑の間を抜け、杉に覆われた暗い舗装林道を抜けると眩しいほど明るい休耕田の谷がある。路肩にはホタルブクロなどが咲き鹿の食害が無い。無いものを探してみると野いちご・ササユリなどはまるで無い。見なくなって久しいものは敢えて探してみないと気付く事さえ無くなりつつある。和知植物園に咲くササユリは聞いてもいるが、日本固有種のササユリが植物園にしか咲かないのでは寂しい。

休耕田に茂る夏草、と、そこに寝そべる3頭の黒牛、人の来訪に驚いたのか立ち上がって、いっせいにこちらを凝視する。敵意も見せず、ただ見詰められると目の置きどころが無い。目の置きどころが無いので話しかけてもみたが動じない。仲良く並んで変わらずこちらを見詰めている。彼らの視線が切れる辺りに小さな小屋があった。小屋の先で牧場が切れ、右手に延びる林道を分けると広い伐採地に出た。尾根まで遮るものの無い空間は小さな山地にあっても気持ちが良い。急斜面の上にガードレールが見えるからあそこに続く道がある。ダートに代わった道はやはり歩きやすい。

広い山腹に白い花の群落らしきものを確認した。珍しい花ではないか?、と近付いてみるとドクダミの花、こんなに拓けた明るい山肌に咲くドクダミの群落、ドクダミのイメージを変える光景だ。葉はとても小さい。伐採地を抜けると古い境界塔の立つ峠に着いた。大きな林道完成記念公園と鉄塔の立つ明るい峠、北部の山波と田園の見える風の抜ける峠である。境界塔には「何鹿郡」と記してあり、「何鹿」は「いかるが」と読むらしい。奈良の斑鳩に由来する地名である可能性もあるし、一説には、イカルガは鳥の「イカル」が多い地域から命名されたと云う説もあるらしい。確かにイカルの鳴き声の響く森であった。さて、左に折れるとガードレールの先に電波塔の立つ鉢伏山。峠道を降ると誰が迎えて呉れるだろう?。右に折れるとやや古い林道が尾根に沿って延びる。

右に歩くにしても尾根心と林道の選択が可能だ。同じルートを進むなら、プライドなどは投げ捨てて林道を歩こう。なにぶん時間が惜しい。路肩に咲くヤマツツジを見ながら延々と続く林道を歩き、見るだけでも痛そうな、舶来もののアザミの育つ林道開通記念公園でエネルギー補給。良い天気は今や暑い日に変わった。林道は、いつしか尾根と別れて下降を開始、崖の途中に密集して咲くササユリ、最後に、大栗峠への道を分けて西河内の集落で周回終わり。車までの道は燃えていた。


CGI-design