■ 播磨・段ヶ峰
・・・・2022年05月28日
2022.5.29

段ヶ峰はほぼ1年ぶり、昨年には、コロナ禍を避けた人波はこの生野の山地にも及んでいて、正規駐車地に入れない車は、未舗装で雨水の溜まるこの臨時の駐車地に溢れたのだ。マスク着用基準は幾らか緩和傾向にある今日ではあるが、収容能力6〜7台の正規駐車地に溢れた車は臨時の駐車地でも溢れそうな状況、因みに、臨時の駐車地の収容能力は10台程度である。

2〜3台の車は同じグループのものらしく、車の間を柑橘系の黄色い物体が行ったり来たり、キャッチする能力はあってもさせて貰えないもどかしさ。加えてヤマビルの噂などが飛び交う駐車地を後に移動した登山口。先程見かけた人影も無く、静まり返る雑木の途に戦々恐々。明るい尾根のお陰でヤマビルの脅威はひとまず終わり、厳しい斜面を黙々と登る。賑やかな季節はひと段落、まことに小さなヒメハギなどを拝みながら登る斜面に冷風が抜ける。

800を過ぎると斜度も緩み、達磨ヶ峰のピークを踏んだ後はほぼ緩やかな尾根歩き、先行される方々の気配は全く無い。古い教えは山は歩くもの、走る場所ではなかったのだ。今日の若者は、いやけっこうな年配の方でも、お山は走る場所であるらしい。伝統的定義から云えば「山姥」と云うのに相当する。フトウガ峰が目の前に広がるとルート上もっとも低い場所に降ろされる。「最低コル」などと書かれた案内板が新しくなった。昨年の事は記憶に無い、がこのコロナ禍での新設は粋な計らいだ。沈滞ムードが蔓延する世にあって光明とも言える措置である。

フトウガ峰の背の低い笹は愈々低くほぼ芝生といったところ、テン泊をしなさい!、と言っている。そんなだだっ広い中の大岩の脇で寛ぐ若者2グループ、風は強いが鍋の中は美味しそう。山頂標識を巻いて見える段ヶ峰の途に人影が無い。僅かに残ったベニドウダンを見ながら南の展望は素晴らしい。素晴らしい景色を写真に写すとちっとも良く無い。アームの問題か点晴を欠くのか。

ピークから戻る気配の若者の姿が右手の尾根に消えて行った。近頃は杉山を含めたコース取りが流行りと聞く。杉山は遠目には綺麗なピーク、ここに良く似たお山である。段ヶ峰ピークは賑わっていた。峠に降る皆様を見ながら、風の少ない木陰でお昼。峠の茶屋は未だ冬籠り、峠から2時間半の林道を歩いて周回する。

林道は岩の山体を削って作られたものだ。見上げればいたるところに柱状節理・方状摂理の岩の壁、今回は特に、枕状溶岩の特徴を残す岩を発見した。と云う事は、ここが海であった頃に出来たもの、ネットによるこの辺りの地質情報は少ない。ひとつ調べてみても面白いかも。


CGI-design