■ 多紀アルプス・西ヶ嶽
・・・・2022年05月22日
2022.5.22

先行車が2台止まる駐車場らしき広い空地に車を止め、前回近所のおじさんに教えて貰ったあぜ道を歩いてお山に続く道に合流した。やはりこのルートが正規の登山口だと思われる、だが、近所の方のご親切を無にする所業は控えたい。お山への道には女竹のタケノコと赤いバライチゴの実、耳を澄ませばホトトギスの啼く旬の道だ。ロードノイズに紛れない様に聞くのが秘訣である。防獣トビラを開けると山腹に貼り付く別荘が現れる。別荘の先は舗装が切れて杉の落葉に埋まる途。当然の事ながらヤマビルへの注意を怠るものでは無い。

今では生えるままに放置された茶の急斜面を登ると愛染窟の前に着く。ここから途は更に厳しい急勾配、谷に木霊する大声には驚いた。降りて来られた総勢6名の皆様、子供と女性を引率するお父さんかな?、それにしてもお早い下山だ。登山道に残る滑った跡はこの後ピーク下まで続き、中にはかなり際どいものも残る。あの声はその時上げた悲鳴に違い無い。たかだか650のピークながら、多紀連山を横に見ながら登る途は厳しいのだ。

踏み跡の残るピークは何も無い。前回「西の覗き」の看板のあった岩の上で小休止、電柱の立つ御岳ピークから洩れる声、西ヶ嶽に延びる尾根から聞こえる賑やかな歓声、今日は新緑と木漏れ日と、木陰を吹き渡る風が涼しい日だ。主尾根に乗る手前の岩場から「西の覗き」辺りの展望が良くなった。良く見ると松の小枝にノコギリの跡、整備された方に感謝しよう。

やや御岳よりの主尾根から、よく踏まれた途を歩いて2つのピークを越えて西ヶ嶽、ソロの男性とは出逢ったものの賑やかな方々は通過した後であった。少し遅れて痩身のアベックが到着した。ピーク下のシャクナゲに花が無く、頭上のカマツカは色褪せている。演出が足りない。それにしても、笹に埋もれた嘗ての面影は何処にも無い。

西に降って藤岡ダムへの途を分け、厳しい斜面に根気よく設置された階段を降って再び藤岡ダムへの分岐でエネルギー補給、気温は19℃、何もなくても心地良い気温。だが、下界の騒ぎは気になるほど。県道に次々と鳴り響く白バイのサイレン。気の毒に。そんな事に身じろぎひとつしないのがアマガエル、目に筋がないからシュレーゲルかモリアオガエルか、彼の背中は冷たかった。再び放置された茶の途を降ると日盛りの県道に出る。無論白バイの先導は無く、狭い路肩を30分、バイクを捕まえた白バイを横目に、28℃まで上昇した車に辿り着いた。来週頃から梅雨らしい、何度かお世話になるお山だ。


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