■ 伊吹山地・横山岳
・・・・2022年04月09日
2022.4.10

昨年は4月の末に沢山の花を見せて貰った。ヤマブキ・イチリンソウなどが主体で、東尾根ではイワウチワに混じって咲くバイカオウレンは末期、雪解けに合わせて歩けば違った花や景色があるのではないか。9時過ぎの駐車地に止まる車は1台、直ぐ近くに止まる車を含めても2台、この寂しさははたして。温かい陽射しの降り注ぐ駐車場の側ではツクシが背比べの最中、他に目ぼしいものがない。

用意の間に登って行った、工事車両らしい車が戻って行く。先刻登って30分足らずで終える作業はなんだろう?。今日は厳しい三高尾根を避け、東尾根から登るべく長い林道から始めた。川筋には残る雪も林道には無い。代わりにお花が、と探しながら歩くとカタクリが2株、手の届かない高みで満開だ。怪しげな二人の乗った車がソロリソロリと登って行った。工事関係者だと思われる方が一人、水の多い良い渓相の明るい谷で釣りを始めた。透明な山の端の上に目指すピークが覗いている、暑い。

コンクリート道を登って山腹横断林道を右へ歩くと東尾根登山口、見上げる様な急斜面に踏み跡がある。登るのは始めてだが厳しい登り、三高尾根に比べれば良しとしよう。尾根末端に這い上がると目の前に雪化粧の金糞岳、なかなか良い景色。金糞の稜線から下へ向かって沢山の白い林、コブシが満開だ。ところが目の前の林にコブシが少ない。数日の遅れか。熊スズの音に振り向くと、怪しげな車の二人が迫っていた。殊に前の人はエネルギッシュな歩みで背中のワカンがいやに目立つ。

途に雪が出て来て、標識900を越えた辺りで一面の雪原。前を歩くお二人はワカンとアイゼンを装着、一人、降って来られた方の足にはチェーンスパイクが光っていた。雪は結構しまって何もなくても支障は無い。雪の無い樹木の幹の周辺を見ると、積雪は1〜2m以上、1日5cm溶けるとすると、完全に溶けるのに20日以上かかる事になる。見上げた一部のブナの新芽は膨らみ金色の芽鱗は弾ける寸前、数日の間に葉を出すサインだ。

だが、雪の無い樹木の穴を除き込んでもイワウチワの葉を見るばかりで、あ〜やっぱり早かった。と思いきや、山の神さんの計らいで、開くばかりのイワウチワの蕾とまことに小さいバイカオウレンが数えるばかり。嬉しいな〜と顔を上げると高い空に浮かぶ真っ白な山並、白山が現れた。東峰ピークまでの激励に出て来たもののようだが大掛かりに過ぎる。そこまでせんでも頑張ります。

東峰までのブナの斜面は無雪期より歩き易く、灌木の埋まる辺りは要注意だが、すんなりと着いた岩の上の雪景色、越前・美濃国境のお山が立ち並ぶ背後にやはりお顔を見せる白山の姿、あの辺りが別山かいな。いや〜春の雪景色は素晴らしい。だがしかし、長居が過ぎるとやはり冷えてはくるのだ。素晴らしい景色を胸に900mのブナの巨木を過ぎると頬を掠める風の温かいこと、暫く降る間に汗になった。釣人のいた谷川は白濁して釣りどころでは無い水量、1枚脱いで顔を覆うと痛みが和らぐ。


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