■ 京丹波・長老ケ岳
・・・・2022年03月27日
2022.3.27

すっかり雪の消えた下乙見、昨日の雨に加えて雪解け水を集めた和知川の水量は多い。順当に春を迎えていると思えばそんなふうにも見えるし、あれだけの雪が無い、と思うとやや寂しいものがある。先刻までのかなり強い雨は、仏主に着く頃には上がってしまった。雨と雪解け水で泥濘の多い駐車地に先行車が1台、上流に消えて行く軽トラはヤマメの養殖だろうか。

雪が消えたばかりの山肌は黒く、未だ葉を出さない植物が多い。そこに春の妖精などの咲く姿があれば来た甲斐がある。いや、是非あってもらいたいのが胸のうち。川辺の道を辿り、上の旧キャンプ場目指して山腹の道を行く。悲しい事ながら、下草のほぼ無い杉の道は面白く無い。仏主を下に見る辺りまで登れば凡そ200mほど登った事になり、汗も出てくれば傍の枝にはトサミズキの花も咲く。上和知川には釣人が一人、はたして傍の車の主であることも否めない。

予報の通り、回復傾向の空にときには青空も覗く様になった。旧管理棟から続く新しい林道はこの3月末で完成とある。ところが、綺麗に木屑を敷き詰めた林道は、直ぐ先の登山道下で崩れている。林床に灌木は生えず削った山肌が剥き出しの赤土色では雪崩と一緒に崩れてもおかしく無い。完成は令和4年3月、今年は令和4年だよね?。崩れた東屋跡に登ると尾根に出る。周辺はイワウチワが多くて開花も期待して良いときだ。

イワウチワのピンク色を求めて歩くとスズメバチの警告の残る東屋に着いてしまった。ここからは薮っぽいルートで花は期待薄、濡れた枝葉を潜ると雫が降り注ぐ。いつまでも萎れていても仕様が無い、ここは登山道整備に汗をかこう。梅雨時になればナツツバキの綺麗な途になるだろう。といった経緯で、登山道を塞ぐ馬酔木・松・杉・ソヨゴの枝払いを始めた。これはこれでなかなか面白い。佳境にあった枝払いの側を、お二人のハイカーが登って行った。登山道整備も一応の満足を得て、上乙見の途と合して長老の尾根に乗ったところから残雪の途になった。

深いところは2m、あと2週間は残るだろう。電波中継所まで登ると陽射しの中は春であった。雪景色の中の気温は7℃だが陽射しは強力だ。乾いた草の上でゆっくり昼食、序に上乙見への別ルートの確認をして下山は林道、林道の雪も多い辺りは2mを越える。どうゆう訳か、谷のキャンプ場跡地周辺の残雪は多かった。ここを境に雪は無し、春の妖精も遂に無しか!、と諦めムードで巨木の谷に差し掛かる。谷底から伸びる大きなサワグルミとカツラの林で、僅か200mばかりの間に残る巨木群だ。ここに、苔生す岩の斜面に真っ白なミヤマカタバミの花が咲き、暑いほどの陽射しの中を忙しくとび回るテングチョウ、まさに妖精と云うに相応しい。今日はこれで満足としておこう。


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