■ 播磨・明神山-C〜Aコース
・・・・2022年03月06日
2022.3.6

夕方までは持つと云う予報、近頃やっと寒気も緩んできて、このまま春になるのに何の文句があるだろう。が、順当ならやはり三寒四温の後にあるべき季節である。そうでなくては困る植物もあるはずだ。折角の温かい日なら楽しいお山を歩きたい。明神山は小明神と大明神コースを歩き、何れも降りはAコースだ。裏明神と呼ばれるかなり厳しいルートもあるようだが、メジャーコースであるCコースは未だ未踏、降りに見える岩盤に走る水平のクラックの謎も見てみたい。

天気は良いのにゆめやかたの駐車場に車は少ない。お隣りの男性はペラペラのザックを背負って大明神の方に向かわれた。入口上の畑から立ち上る煙は、忽ち朝の谷を懐かしい匂いで満たしてしまった。集めた枯れ枝にちょうど火が入ったところであった。足取りも軽く焚火の傍を抜け、Aコースと別れて右の小尾根に向かうとB・Cコースが続く。

Bコースは谷筋を詰めるらしい、が、折角明るい地質のお山を選んで暗い谷底では趣旨に反する。尾根に向かって辿る途は重機によって整備されたものだ。この点は小明神・大明神とは違って管理されたルートと言う事だ。尾根のアベマキは、ミズナラに混じりフラスを吐いていた。ナラ枯れはいつまで続くものか。大岩を登ると展望は一気に良くなる。これを期待して歩くのだから大いに満足。他のルートと同じく巨岩の上を歩いて明神山のピークが近付く。高度差が埋まらないところを見ると最後は厳しい登りかな。

狭い岩の溝を昇るところもスリムな身体で難無く通過、地蔵岳?と云うピークに登る急斜面ががまん坂(この辺りの名称はいい加減)、これは流石に息が切れる。確かな呼吸音に振り向くと、足取りもまた確かな初老の男性が迫っていた。敢えて正確な呼吸に務める方を見たのは始めてだ。先を譲りはしたが差は開かなかった。結構頑張って歩いてしまった、大汗。

ピークで呼吸を整える男性にご相伴して小休止、ピークまでの高度差は未だ100m。少し降ると「ハ丁坂」が突き上げていた。なかなか殺生な作りではないか。停止寸前で登り切ったところはピークの直ぐ下、先の男性は登山仲間と早速の談笑中だ。察するにピークでの歓談を目的に登られる方々らしい。未だ11時前のピーク横での弁当である。山標前でゆっくりしていた男性も弁当仲間に加わった。大明神コースに消えて行った男性が降って行った。

今日のピークは春霞で遠望はほぼ無い。汗が冷えては辛いので降りに入る。やはりAコース、上を目指す方々が三々五々、まあ雨の前ならこんなところか。風の勢いに併せて青空は消え、北部の空は黒雲に覆われていた。途中からAUコースを辿る予定にしていたが、標識の先の踏み跡は心細く、落葉に消え掛かる途に近頃の踏み跡は無い。薮途を歩くと云う奇行は今日の気分では無い。

素直に降って驚いた。広い駐車場を埋める2列の車、隣の広場を埋め尽くすテントと人。新コロの影響下に間違いはあるまい、がここにその影は微塵も無い。これから雨の予想される天候に拘らずである。車に戻ってエネルギー補給、ところへ先に降った筈の男性が戻って着た。で結局、岩を水平に走るクラックは分からずにしまった。


CGI-design