■ 丹波・白髪岳〜松尾山
・・・・2022年02月06日
2022.2.6

久しぶりの丹波白髪岳、無人の駐車場から登山口までは1・5キロ、面白いものの無い退屈な道が今日は何やら明るくて賑やかだ。おじいさんの果樹園は綺麗に剪定も済み、片隅には小さな物置などが置かれている。更に登った辺りの林道脇の荒れ地にも手が入って、気持の良い空地に変わっていた。零下の林道歩きではあるが、手入れされた光景を目にするのはやはり清々する。とは云え集落入口の看板にもある「ワン谷の桜」の色は枯葉色、数年前の開花は見たが、今年の開花は危ぶまれても仕方が無い。陽射しがあっても寒々しい。裸の桜を見ながらふと見た杉の林の中に「鹿物語の発祥の地」などと書かれた看板を発見した。

ながらく登らせて貰っている白髪岳の麓で、こんな看板ははじめてである。その気さえあれば、調べものは何処でも可能な便利な世の中。早速調べてみたところ、篠山市のホームページに住山地区の鹿物語として記録されていた。これを読むと、お話しの起源は今をさること300年ほど前の漁師与作の雌鹿殺傷に纏わる話で、雌鹿は弔い生まれた子鹿は育て野に放つと云う、与作の優しい心を今に伝える話である。

新しくなった登山口の地図を見て、完全に干上がった小屋脇の湧水を見てさあ歩こうか。近頃の踏み跡は真っ直ぐ谷に続いている。それでは苦行のなんぼかが消失する。折角望んでする苦行なら、右の急斜面ルートから始めるのが良い。急斜面を登って山腹を巻き、谷に降りると先の踏み跡に出合う。

ヤブツバキの急斜面にはいつも真っ赤なツバキの花が付きものであった。が見渡しても花ひとつだに咲いて無い、天変地異のまえぶれか?。ここで後続の男性が表れて、にこやかなお顔で追い越して行かれた、速い。尾根に上がると風に雪花が交じる。北のお山は雪雲の下だ。雪の無いお山は足が軽い、少しならぼんやり歩いても転げる事も無い、極楽である。

岩尾根を2つ越え、着いたピークは陽射しがあって温かい。降りに入ると氷が出て来た。これは滑る。滑る登山道を離れて灌木の中を降り、次は隣の松尾山だ。松尾山への登りは風雪の中、気温はー6℃で枯葉の上の雪は溶けない。やや白くなった山頂でお城の痕跡探し、緩い尾根に残る曲輪はあっても礎石はやはりひとつも無い。完膚無きまでに破壊されたか、持ち去られたか。雪の古城は黙して語らず。

降ると有名な卵塔群、いつから放置されたものか知る術もないが、暗い杉林ではかわいそうだ。せめて光がほしかろう。集落が近付くと鹿の声が聞こえて来た。与作の小鹿の末裔でもある鹿である。う〜ん、、。

https://www.city.sasayama.hyogo.jp/minwa/tannan/mdt009.html


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