■ 比良・武奈ガ岳
・・・・2009年12月27日
2009.12.28

数日前から随分暖かな日が続き、先週末に降った雪はどうだろうか。温かくて山に雪がある、これ以上望ましい状況は無いのだが、横着な望みをそうそうかなえてくれる神様もいないらしい。打見山は深い緑に覆われ、白っぽいところは見つけることができない。


冬枯れた寂しさに沈むイン谷口には車が一台だけ、管理小屋の上に車を止めたそのときに、一人男性が歩き始めた。天気予報では快晴の筈なのだが、上空は一面雲が覆い、振り返った湖面の何処にも日差しはない。歩き始めて直ぐに数台の車が上って行く。

トイレの脇まで来ると10台ばかりの車が駐車、善男善女かどうかは知らないが、やはり比良は賑やかであった。先行する3人はダケ道を行かれる。正面谷には人影が無くなった。

何基もある砂防ダムを乗り越える度、少しづつ融け残った雪が落ち葉の間に見えるようになった。青ガレの岩の上にも凍りついた雪が少しだけ残って、調子よく乗っかると滑るには違いない。青ガレを越えて、見上げた金糞峠までの間にも、人影は全く無い。


踏み跡は新しいものが幾つかあるので、けして人が居ないわけではなさそうだ。

いつもながら強烈な風が抜ける金糞峠を越えるとやっとこさ雪国らしい景色に変わる。そこには3人ばかり、八雲が原方面に向かって、留まっていた。奥の深谷源流を越えたところで、一人の男性に道を空けた。どうやら八雲が原を諦めた一人は、中峠まで雪の谷を行くらしい。防水スプレーでも一時間ともたない靴では、谷の徒渉は面白くない。

石楠花の間を縫って、コヤマノタケから南に伸びる尾根に取り付いた。尾根には、融けかかった雪の中に踏み跡が幾つか。僅かな雪では苦労することも無く、シャクシコバの頭が見える頃にはコヤマノタケピークの傍の、枝振りの凄いブナの傍まで上りつく。

ブナの林を抜ける風は相変わらず冷たい。牛コバ方面の道と出会うと人の声も聞こえてきた。

深く抉れた登山道に残る、凍った雪が良く滑る。尾根上までくると、風が強く、ガスが掛かって何も見えない。ピークから直ちに返る人が殆どだ。数人は、雪の南側斜面に腰掛け食事の最中。西南稜に消えていく登山者は、僅かに手前のコブまでがぼんやり見えるだけである。コヤマノタケまで引き返し、スキー場跡を目指して尾根を下った。

スキー場の端で湯を沸かし、ラーメンを啜る間もかなり寒い。カヤトの原をロッジ跡まで下った。雪原を眺める人が一人。振り返ると随分離れた辺りに更に一人。風はないので温かい。ゲレンデ跡を登り返して北比良峠。男女数人のパーティーが休息中であった。後ろに着けて、時々痛む右ひざを庇いながら、ゆっくりダケ道を下った。半分も下った頃、日差しが戻り随分温かくなった。

正面谷に降りた時には上空一面に雲は無い。何時もだいたいこんな調子で終わるのである。


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