■ 京都西山・地蔵山
・・・・2022年01月15日
2022.1.16

越畑まで登れば除雪された路肩がある、と思うのは勝手だがいつも思い通りに済む訳では無い。路面はピカピカに除雪されてはいても駐車地が無ければ只の通行車両、いやでも狭い路面に止めるなどと云う不届きな事が出来る訳が無い。駐車地探して樒ヶ原まで進み、区役所出張所のお客様用エリアに車を止めた。登山者用の駐車場は雪に埋まっている。

ワカンを持ってあるき出したところで焚火を愉しむ方々が5人、何処へ行くかと尋ねられ、愛宕山と応えた言葉はミカンになって戻って来た。トンド焼である。昔は子供達のイベントのひとつで、トンド焼の火で焼いた生焼けの餅が報酬であった。今ではお年寄りの井戸端会議の場である。雪のジープ道は先行者の踏み跡が2つ、加えて消えそうなタイヤ跡が残っている。取付き辺りで20cmだから上は60くらい?、難儀な積雪と云う程ではないが踏み跡があると助かる。先行者の踏み跡も轍の跡に続いている。

先週に比べると雪質が良い。それにしても辺りの木々の幹は全面ほぼ真っ白。方向を変えながら吹いた夜間の風は相当強かった?、そんなに荒れる天気図ではなく枝先の霧氷も小さい。伐採地の先に、ジープ道の主である四駆が止まっていた。雪が酷かったのかそれとも風か、そこから上には消えかかるドライバーの足跡が残る。深くなった雪道に先行者の足跡が新しい。

愛宕山が見える辺りで陽射しが出た。大阪湾の辺りはガスで霞み、亀岡平野の展望は良い。左に見える街並は西京辺り?。踏み跡を外すと負担になる程の雪である。尾根を越えると地蔵山への尾根ルートに近い。吹き溜まりの雪は深く道を外すと困難を極める。愛宕山へ行くと言ったのだから、旧愛宕スキー場まではジープ道を行く。先行者も同じだ。

旧愛宕スキー場の出合いでワカン?、スノーシュー?、の踏み跡が残る。有り難く辿らせて頂き無事に地蔵山への尾根に乗った。暫く歩いたところで後続の単独女性が前に出た、スノーシューではあるが早い。彼らの跡を歩くと一面は楽、がよく沈むのでよく振られる。重心移動の訓練にはなるからま〜良いか。尾根上を覆うアセビの林は難敵だ。踏み跡を素直に辿るとアセビの枝に当たる。痛いだけで無く大量の雪を被る。こんな罰ゲームの様なルートを避けると1人新雪を踏むか腰を曲げて歩く他無い。これは酷くきつい。アセビは憎い奴だ、今に見ておれ!。などと大汗かいて反射板の手前まで来た。そこにパンを頬張る単独女性がのんびり、満足した様子を見るとここまでらしい、案外に淡白である。

反射板の前で小休止、ここの積雪は深いところで1m。地蔵山ピークに向う途中で2人のワカンが降りて来られた。これで先に人は無い。相変わらずアセビに苛められては今に見ておれ!を繰り返し、着いたピークから先に踏み跡が無い。ここは常に周辺より気温が低く、アセビに加えて防獣ネットが邪魔をする歩き辛い区間である。しかし、この先におわします西向地蔵様に新年の挨拶も無く引き返す選択肢は無いのだ。

樹木とネットと雪のトンネルを抜けるとお地蔵様はほぼ雪に埋まっておられた。辛うじて覗くお顔を見て挨拶、背後の反射板跡地に入って雪を踏んでエネルギー補給、この状況で芦見峠へは降れ無い。アセビの林で悶え死ぬのが目に浮かぶ。お地蔵さんに挨拶をしてピストンに決め、只ピストンではアセビへの報復が無い。ノコギリ片手に登山道整備しながらのピストンに決めた。

ピークの先で今日4人目と出合った。ちょうど延びるアセビの枝を切り取ったところであった。ところが、枝を切り取ったアセビの幹は、雪を振り落として気持ち良さそうに立ち上がるではないか!。これは報復ではなくてアセビの手入れ、背中の垢落としに等しい。考えて見れば、ここまでの密生はアセビの望みではなく、他の樹木を食べ尽くした鹿の成せる業である。仕方ないからアセビの背中を流してやろうか。

午後に入ってぼちぼち登山者が増えてきた。アセビの枝払いで幾らか歩き易くはなったはずだ。そうした行為に対する天の反応はどうか、雪に隠れたジープ道の段差で転び、重心を失い土手にぶつかり、トンド焼で手に入れたミカンが今日のご褒美と考えようか。府道歩きで、そのミカンの主の軽トラが止まった。愛宕山はどうでした?、そういえば、西向地蔵様に似ていなくもないな。


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