■ 多紀アルプス・御嶽
・・・・2021年08月22日
2021.8.22

今日も雨こそは降っていないものの、雲の多い天気で午後からの降雨が心配だ。天気図では梅雨の終わりのようで、数日後には35度を越える猛暑日になると云う。なんと、今頃から夏のやり直しの様な事になるらしい。日本の季節はどうなるのだろう?。季節の不順との相関は不明であるが、安全だと思っていた領域に山ビルが出るのは多いに困る。気付くと膝頭あたりを20匹くらいの山ビルが一心に登ってくる光景は恐怖である。

そんな訳だから、火打岩の民家の裏に続く暗い登山道には細心の注意を払って登る必要がある。そうは云っても湿度の高い厳しい登り、暫くすると目が霞む。汗は落ちるし息は切れる、今のところは靴に縋りつく何も無い、足元を注視する気力が尽きた。どうやら辛抱のかいあって、無傷で尾根に辿り着き、腰掛ける石などはないからそのまま御嶽道、ここからはほぼ斜度の無い道が続くのだ。

緩い御嶽道にも明るいガレ場が出て来る。ここにザックを下ろすと風が抜けてヒンヤリ、湿度は高くとも気持ちは良い。暫く風に吹かれてクールダウン、さあ行こうか、とザックを背負うと後方で声が響く。男女2名のアベックらしい。暫く続く平坦道では抜かれまい。歩きながら松の斜面をキョロキョロ、末期の梅雨に似た低温と豪雨、これに刺激されたキノコでも、と眺めてはみたが、殺伐たる林床が続くだけである。

自生するクリンソウは愈々数を増やしているように見えた。高温はともかく、降雨は好むところらしい。鳥居跡を過ぎ大岳寺(みたけじ)跡を過ぎ、斜度が出て来るあたりで後方を伺うと気配がまるで無い。あまり逞しそうには思えないな。ピークに向けて続く岩場混じりの厳しい斜度、目当ては岩のテラスだから気が楽だ。ここでも辛抱してさえおればやがてはテラス、と黙々、やっとテラスに付いてみれば松の葉の色が妙に黄色い。よく見れば松の葉一本一本に上手に食っ付いた黄色い虫。悲鳴をあげるところであった。

テラスを諦め、直ぐ上の登山道横で大休止、正面に見える小金ヶ岳の岩場に人影が無い。漸く後続が現れて、よく見ればよいお年のおっちゃんおばちゃん登山隊4人、案外に寡黙な皆さまは、次の岩場で休息にしよう、と登って行かれたが次はないのだ。山頂手前の祠に彼らの姿はない、結局ピークで昼食に落ち着いたかな。

中途半端は後で応える。オオタワまで降ってお昼にすべく、エネルギーの枯渇した身体を引き摺り厳しい斜面と急階段の道、あたりは成長したウリハダカエデが覆っている。オオタワに降ると陽射しがあって暑い。フォレストアドベンチャーから子供の金切り声が聞こえてくる。野外でクラスターは聞かないから、きっと良い事に違い無い。


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