■ 若狭・青葉山
・・・・2021年07月03日
2021.7.4

舞鶴を過ぎると福井県高浜町、若狭富士と呼ばれる青葉山の形が一番良く見える地域だ。ところが今日は梅雨本番、山麓まで覆うガスでお山どころかほぼ視界は無し、雨が無いだけ有り難い。登山口のあるハーバルビレッジ、舌を噛みそうな名の公園?、に着き車を降りると小糠雨が落ちてきた。公園の庭ではハーブなどが花を咲かせ、花見旅なら小糠雨も絵になる小道具、登山だと傘がいる。

登山口の表示に従い公園を拔けると静かな道、路傍の梅の木に実る完熟した黄色い実、一つ摘んでみようか、と冒険心を起こしてはみたが青酸が怖い。お腹を壊しても詰まらないから止しておこう。アスファルトに転がる梅を見ながらお地蔵さんのある登山口、傍の駐車地に車が4台ほど、雨にも負けない皆様がおられる。

植林地の急斜面に続くつづら折れの登山道、雨とはいえちょっと暗い。雨音が大きくなって本降りになった。いよいよ傘が頼り、しかし傘は僅かに吹く風を遮りガスの立ち込める林の中は熱い。と、斜面の上の方で声がして、暫くすると雨に濡れた女性2人が降って来られた。後ろの方の顔には疲労の色。登れども続く杉の林、見るものと云えば林床に現れた大岩で、特徴から推して冷えた溶岩、後で調べたところは新生代新第三期後期の火山とあった。

お!、光が漏れる、と着いたところは電波の増幅器か何か、面白く無い。次に灯りが漏れた先にオカトラノオの白い花、傍には立派な高床式展望台、小広いテラスに残る登山者の靴跡、汗を拭きつつ展望台の椅子に腰掛けるとしっくりする。眼前にあるべき展望はまるで無い、が、雨の林の木造高床式テーブルセットは居心地が良い。ここで宿泊?、はやっぱり無いか。

やや小康の雨、今のうちに山頂まで、と歩けども杉の林は続き、緩む斜度は再び厳しく、歩き易い山は無いものか、と思う頃に金比羅さんのある平坦地に着いた。本来は南側に展望が拓けるはずだが今日はまったく無し。で再び階段の途、そうなのだ、途はほぼ木製の階段途で、膝の上げ下ろし量が多くて疲れるのだ。湿度100%で汗も多い。

目の前に岩場が出てきて、やはり「馬の背」などと看板がある。岩質はこれまでと同じ溶岩質、雨に濡れて良く滑り、ソールが少しも絡まない。南側は約30mほども切れている。岩の上に、小さなピンク色の花がところどころ、調べたところ「イブキジャコウソウ」らしい。やっと抜けた植林帯、周囲は太いイヌシデが多く、登るに伴いブナに代わる。ここらでどうも目眩がしてきた。今年初の大汗で、軽い熱中症の症状かも。水分補給で登ること暫し、神社のある青葉山のピークに着いた。一般には東峰と云うらしいが、西峰は1m低く、青葉山のピークはやはりここに間違い無い。

青葉山だけに生息するという「オオキンレイカ」の保護を伝える看板が2枚、ネットで調べると三出複葉、その様な植物は何処にも無い。(オミナエシ科が正解ですな)盗掘により減少したとか、どこも同じだ。エネルギー補給後、周回を取り止めピストンで下山。下山の間に、賑々しい女性3名を含むハイカー4名、未だ稚さの残る野うさぎ一羽と邂逅した。枯れ枝を食べていた野うさぎ、林床に食べるべき草が無く、有毒の植物が多く残る山野は住み辛いに違い無い。


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